北穂高岳・奥穂高岳山歩〈後編〉

穂高連峰最高峰 奥穂高岳 山頂
〈穂高連峰最高峰 奥穂高岳 山頂〉

雨で停滞した二日目の涸沢山行の続き。


北穂高岳までの登山道

三日目、晴れ♪(・∀・) テン場からはヘルメットとヘッデンを付けてまだ薄暗い5時には出立。朝方は星空がとても綺麗だったので、この日の山行に期待が大きく膨らみます。涸沢小屋を過ぎたあたりから朝日がもう目に眩しくて、幸先が良い。
先ずは北穂高岳をターゲットにがしがし登る。なんとカラダがすこぶる軽い。そりゃそうだ、なんせカッパと水とエマージェンシーグッズとカメラだけと荷が軽いもの。高度をある程度まで上げてゆくと、目にも鮮やかな穂高連峰のモルゲンロートを見ることができて感無量になった。

モルゲンロート

この日、ボクらのルートはロングコースにしようと前日から考えていました。紅葉の時期で平日の涸沢で、しかも天気が悪いのにも関わらずこの混みよう。(>_<) 混雑が極端に嫌いなボクは恐らく今後、土日の涸沢には怖ろしくて近寄れないと思うので、天気の良いこのタイミングを逃さないようにとたくさん歩いてきたのです。

登山道バックに涸沢カール

先ずは北穂高岳へ歩を進めます。標高差にして約800mを、腕時計の高度計を確認しながら軽快に登ってゆきます。そして梯子、鎖場を難なくパスして南陵に乗ると、今度は急に歩が遅くなります。後ろも前も、景色が素晴らしすぎるのだ。ヨメさんも同じことを感じていたらしく、互いの距離がそのままです。

北穂高岳

で南峰の分岐から右手へ、北峰へは楽しくってあっという間に到着。そこがこの日一番の目的地であった北穂高岳の山頂でした。しばしぐるりとパノラマの景色を堪能したら、小休止は山頂から少し下ったところにある北穂高小屋でとった。まだ時間的にお昼ごはんには早かったので、代わりに炭酸飲料と高カロリーのポテトチップスでエネルギーチャージ。

北穂高小屋のテラス

テラスから一望できる槍ヶ岳などの雄姿が格好良すぎて、やや長く、北穂高小屋では40分ものんびりしていました。ところで北穂高小屋、とても綺麗で衝撃を受けた。3000m級の山にある小屋とは思えない。特にトイレが綺麗でお花が生けてあって臭いも爽やか。いつかこの小屋に泊まってみたいなと思う。

涸沢岳までの登山道

涸沢岳までの登山道

さてさて、慌てて次に向かった先は涸沢岳でした。地図には浮石・落石注意とか、ハシゴと長いクサリにご用心とか書いてある。ケツの穴をキュッと締め、ヘルメットを深くかぶり、登山靴のヒモを結び直して臨戦態勢を整えた。このルートを参考にしたブログから難易度は知ってはいたのだか、なかなかどうしてお尻の穴はずっと締まりっぱなしで、緊張感がずっと張りつめていた。

涸沢岳 山頂

ヨメさんと二人して大丈夫か行けるかと声をかけながら慎重に登っていたら、涸沢岳もあっという間に山頂まで歩を進めることができていた。タイミング悪くガスってしまったのはこの際目をつぶり、お腹も空いていたのでそこからは一目散に穂高岳山荘へ駆けていった。

穂高岳山荘のカレー

穂高岳山荘ではカレーを食べた。ボクの嫌いなニンジンごろごろカレーだったけれども、ここのカレーは何だかそれが妙に美味しくて、涸沢岳の岩場でよっぽど緊張していたのか知らぬ間に完食。まさかこんなところでニンジン克服か。~_~; 因みにヨメさんは前日に食べた涸沢ヒュッテのカレーの方が何倍も美味しかったとのこと。ボクはラーメン派だったもので、とろとろに煮込まれたその美味しいカレーを食べることができなかった。ああ、残念でならない。

奥穂高岳

穂高岳山荘でのお昼ごはん休憩のあとは、お待ちかねの奥穂高岳へと足を伸ばしに行きました。CTには登り50分、下り30分と明記してあったけれど、ほぼ空身のボクらには各々10分ずつ短縮した時間で登頂して下って来られた。しかもこの日は平日で正午を過ぎていたこともあり、登山者もまばら。いつもは渋滞しているらしい箇所もとてもスムーズにクリアできて、何もかも有意義に事が運びました。特に一番良かったことは、ボクらが山頂をパスしたあとにガスってしまったこと。青空バックの奥穂高岳、なんともギリギリセーフでいい塩梅でした。

ザイテングラート

山頂で出会った元気な若者軍団に登頂写真を撮影してもらったあとは、テン場まで穂高岳山荘経由で下るだけ。長いザイテングラードは焦らず慎重に下りて取付点まで来たら、今度は涸沢小屋まで一目散です。もちろん目当てはジョッキにマムートマークの付いた生ビール。

涸沢小屋の生ビール

ヒュッテの生ビールも大変美味しいけれど、涸沢小屋で呑んだ生ビールの方が何倍も美味しかったのは、この日の山行の濃さと楽しさが表れているからでしょう。べらぼうに旨かった♪この日はさらにとても酔いしれた夜でした♪ 大満足した3日目が終了。

涸沢カールの紅葉

四日目、最終日、・・・雨。予報では昼過ぎから雨になるとのことだったから、朝早く起きて撤収してとっとと下山しようと考えていたのに、朝から雨では有終の美が飾れず困った状態。でも最終日のお昼ごはんはどうしても上高地で食べたいものがあったので、それに狙いを定めた早い時間に出立。ザックの中はせっかく食べ物と呑み物で嵩が減ったのに、濡れて重たくなったテントがそれをすっかりと帳消しにしてくれた。(>_<)

涸沢ヒュッテ テント場

しかし雨の日はみんな考えることは同じようで、涸沢ヒュッテから本谷橋までしっかりと大渋滞。ボクは初めて雨の中の大名行列を味わった。本谷橋を過ぎたらあとは快調で、びしょ濡れになりながらも徳澤園へ到着。小休止をとりながら噂のソフトクリームを食べてみたら、これがなんとも絶妙な美味しさですっかり虜になってしまった。一気に二つ食べたいぐらいだ。

徳澤園 みちくさ食堂
〈徳沢園 みちくさ食堂

さてあとは、河童食堂でのお昼ごはんの時間に合わせてゆっくりと時間調整しながら明神、上高地へと歩いてゆきました。雨は結局沢渡まで止まずにいつしか本降りになっていた。足湯公園第二駐車場の足湯に浸かりながら身仕度を整えて帰路につきました。
晴れ、雨、晴れ、雨と、目まぐるしいお天気でしたけれども、初めての涸沢も、涸沢の紅葉も、そして紅葉を楽しみながら登れた北穂高岳に涸沢岳に奥穂高岳も、全部ひっくるめてとても楽しめた山行でした。またいつか、平日に限るけれども、涸沢には行ってみたいなと云う気持ちは芽生えてます。さて次は、ボクらにジャンダルムは無理だけど、西穂高岳と前穂高岳はやっぱり踏破しておきたいな。(・∀・)

上高地のサル
〈どっしりと良い場所に座っていらっしゃる・・・。相席する勇気なかった(>_<)〉

■山域:北アルプス 穂高連峰
■日時:2016年09月25日(日曜)~28日(水曜)
■山泊:涸沢ヒュッテ 国設涸沢野営場
■目的:涸沢の紅葉と、北穂高岳と奥穂高岳
■山行:
25日(日)☀:沢渡バスターミナル(06:00)⇒上高地バスターミナル(06:30)⇒明神(07:30)⇒徳沢(08:25)⇒横尾(09:20)⇒涸沢ヒュッテ(13:15)(テント泊)
26日(月)☂:涸沢ヒュッテ(テント泊)
27日(火)☀:涸沢ヒュッテ(05:10)⇒北穂高岳(07:30)⇒北穂高小屋(07:45)⇒涸沢岳(10:20)⇒穂高岳山荘(11:00)⇒奥穂高岳(12:10)⇒涸沢小屋(14:50)⇒涸沢ヒュッテ(15:20)(テント泊)
28日(水)☂:涸沢ヒュッテ(06:00)⇒横尾(08:00)⇒徳沢(09:00)⇒明神(10:00)⇒河童食堂(11:05)⇒上高地バスターミナル(12:00)⇒沢渡バスターミナル(13:00)⇒竜島温泉(14:20)

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