御嶽山歩き with 二の池ヒュッテ

まだ未踏であった木曽の『御嶽山』を歩いてきた話。8月5日㊏~6日㊐のこと。

 

もう毎日が暑くて暑くてたまらない。標高がそこそこのところだと熱中症でぶっ倒れそうだし、かと言って北アや南アの人気の山では、今度は人の多さで滅入りそうだし、さて何処へ行こうかと悩んでいたら、珍しくふと思い付いたのが御嶽山だった。

 

これはきっとどこかで“登山道の規制が緩和うんぬん――”なる記事を見かけたからだと思われる。そしてそれに関連する痛ましい災害と当時の状況を思い出してみた。

 

2014年9月27日に、御嶽山で噴火(水蒸気爆発)がおこり、火山災害が発生した。その時ボクらは北アルプスの槍ヶ岳を目指して歩いており、まだ何も詳しい情報が無いまま、すれ違う登山者たちから「何だか御嶽山が噴火したようだ‥」との概略だけを知らされ、槍ヶ岳山荘のテント場で噴煙の出ている御嶽山を眺めていた。

 

その御嶽山を登ることになり、前日までは登山道の情報収集と、宿泊先とした『二の池ヒュッテ』の規約の熟読やMenuの吟味に忙しかった。

 

特に、二の池ヒュッテのお酒のメニューが豊富ですごいのだ♡

 

さて、山歩きの話。
御嶽山黒沢口六合目駐車場」へ向かうため、3時起き3時半出で中央自動車道を走り、伊那ICで降車。距離は約315kmを4hちょっとで到着。料金は3800円ほどだった。軽ジムニーでこれでは少し高いなと感じる。矢張り遠い木曽の街。帰りは勝沼ICで降車して節約だ。その分、桃を買ってゆっくり帰る。

 

ぎりぎりセーフで停められたガスガスの黒沢口六合目・中の湯駐車場(無料)を8時には出発。
Pの標高は高いはずなのに、湿気がむんむんでいきなり暑い。スタートから頭も重いし何だか絶不調。ヨメさんも同じ症状であった。もしかして高度順応ができていないのかしら‥と一抹の不安がよぎる。

 

今山行のコースは‥
1日目:黒沢口六合目・中の湯→黒沢口七合目・行場山荘→女人堂石室山荘→黒沢十字路→御嶽山・剣ヶ峰→二の池ヒュッテ(泊)
2日目:二の池ヒュッテ→賽ノ河原→摩利支天山→五の池小屋→継子岳→三ノ池避難小屋→女人堂→行場山荘→中の湯P
というコース取り。

 

山歩きの目的は、7月1日8時に規制が解除された“黒沢十字路”登山道から御嶽山の最高峰となる“剣ヶ峰(3067m)”の登頂なのだが、本当のホントの目的は標高の高い山で避暑したいからであった。もっとも涼しいところで生ビール🍺が呑みたかったのだ!
因みに上のルートで登山ができるのは、10月11日14時までとのこと。

 

北アでも中央アでもない独立峰の御嶽山。
頂上付近には、一ノ池から五ノ池まで5つの高山火口湖があり、二日間にわたってその全部を見てきた。

 

剣ヶ峰の山頂からは 一ノ池、二ノ池山荘の前からは 二ノ池(涸れてた…)、五の池小屋の前からは 五ノ池、継子岳の山頂からは 四ノ池、三ノ池避難小屋の前からは 三ノ池(熊いた!)の順番で池巡り。
つねに水があったのは二ノ池と三ノ池であったらしいが、それは噴火前のことらしい。

 

 

黒沢口登山道は良く整備されていて歩きやすかったが、石室山荘あたりまでの斜面はほとんど段状になった階段のようなイメージ。でもその代わり、石室山荘から山頂まではザレた斜面が続きなかなかハードで歩きにくい。

 

御嶽山 剣ヶ峰に到着。祈りを込めて、合掌。

 

 

さて御嶽山 剣ヶ峰の登頂後は、足早に『二の池ヒュッテ』へゆきチェックイン。
喉が鳴り‥生ビールが吞みたくて呑みたくて生唾飲んで随分と我慢した。この日は相当に暑かったので、とても良い生ビール日和であった。

 

宿泊者限定のテラスで待望の生ビール!

 

ヨメさんと共に二杯ずつおかわり一気飲み。グラスが冷えていて、おつまみまで付いてくるのにはとても驚いた。女将の自家製らっきょう漬けが最高に美味だった。

 

ところで、二の池ヒュッテの“予約の仕方”が便利で驚愕している。最近の山小屋はどこも皆そうなのかもしれないが、“LINEで予約”ができるのには本当に驚いた。
深夜LINEで予約の申し込みをしたら、翌朝には「承りました!」との連絡が入り、そのスムーズな展開にも驚きが隠せない。
しかも、支払いは「カード決済&その他(PayPay等)」がOKとなっていた。これも本当に便利でありがたい。多めにお金を持って行かなくても良いのは本当に嬉しい限り。

 

この日ボクらは“4畳半の個室”を利用した。こちらもとても快適で、もう汗だくになった夏の小屋泊では個室以外は考えられないほどに具合がよかった。服を全部脱いで、メントールの汗拭きシートで全身くまなく拭きまくって爽快感を得るには個室ならではのこと。

 

二の池ヒュッテの食事は、晩ごはんも朝ごはんも17:30と05:30で分かりやすい。そして全部が心のこもった手づくり料理だから、どれもこれもが全部美味しかった。ワンプレートで食べやすく盛り付けも綺麗。晩ごはんには小さなグラスワイン付きなのも嬉しい。因みにご飯と汁物はおかわりが自由だった。

 

晩酌には缶ビールの他、ハイボールを頼んでみた。何と“白州のハイボール”が頼めるのには衝撃をうけた。しかも氷は、大きく丸い氷(ランプ・オブ・アイス)のこだわりよう。
白州のハイボールだけで旨いのに、山の上で、しかも丸い氷で旨さが③割増しだ。

 

他には日本酒の利き酒セットなんてのもある。女将のおもてなしの心が本当に素晴らしい山小屋だった。

 

居心地がいいとされる“標高3000mの居酒屋”の噂は、本当に良いところでした♪

 

そして食後の、

小屋前の自然の劇場が、

とてもドラマチックで、

素敵だった。

 

山に泊まらないと見られない光景は本当に綺麗で感動する。

――

 

翌朝。朝ごはんを食べたら6時半には宿をあとにしていた。

 

この日は朝から超のつく快晴で、早くに歩き始めないと勿体なかった。

 

先ずは、賽ノ河原を経由して『摩利支天山』へ向かう。岩場のコースでなかなかスリリングで楽しい。

 

目の前に見える御嶽山剣ヶ峰の山容は、摩利支天山から見るとさらに凛々しさを増し迫力が満点だ。でも山頂は狭くて危ないので、次々とやってくる登山者と入れ違えて早々に退散する。

 

 

次は、大人気の“五の池小屋”を経由して『継子岳(ままこだけ)』へ向かう。

 

青い瞳のような、三ノ池がとてつもなく綺麗だった!

 

 

継子岳への登山道の途中には、コマクサがたっぷりと群生したエリアがあって目を見張る。一面ピ、ピンクで可愛らしい。

 

継子岳、到着。

 

 

さらにその先も、コマクサやイワギキョウの群生エリアがいくつもあって、華やかで楽しい登山道であった。

 

 

池に水は溜まっていないが、池塘としてとても綺麗な四ノ池と御嶽山剣ヶ峰を見ながら歩いてゆき、継子岳2峰をぐいぐいっと登り三ノ池へ向かう。

 

すると‥‥何やら向こうで黒いモノが動いていた!( ఠ_ఠ )

 

な、な、なんと!

三ノ池の対岸にクマさん(ツキノワグマ)がいた!!

水飲んで、水浴びしていた!!!

この暑さだもの、そりゃあクマでも暑いよね笑

 

三ノ池避難小屋から女人堂までは、歩きやすいトラバース道を進み、下りはあっという間に黒沢口七合目の行場山荘へ到着。そして一息入れるのだ。

 

行場山荘』で食べた“名物ちからもち”が大変に美味しかった。きなことぜんざいを注文。

 

以前 このルートで御嶽山を歩いた山仲間が、名物ちからもちって美味しいのかな?だなんて言って食べそこねていたのを思い出す。めちゃうまなのに、ああ‥なんと勿体ないことを。

 

よき避暑山行だった。

――――――――――

合計距離: 16.88 km
最高点の標高: 3068 m
最低点の標高: 1793 m
累積標高(上り): 1735 m
累積標高(下り): -1696 m
総所要時間: 05:05:39
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