北八ヶ岳池巡り歩き

北横岳登山道

1月23日(金曜日)から24日(土曜日)のこと。平日に休める特権を活かして、金曜日から北八ヶ岳を歩いてきました。

一緒に歩いてきた山仲間は夏山には滅法強い健脚の“お二人”と。
ところがどっこい雪山は初めてとのことで、実は中には違う人が入っているんじゃないのかと云うぐらいに、まるで足取りが違っていた。そんな、滅多に見ることができない可笑しい様子が垣間見えた雪山山行の話。

北横岳登山道

確かお正月休みにおよばれした呑みの席であったか、今年の雪山はどんなところを考えているのかと聞かれたのだった。
考えていた山行の計画をつらづら云うと、その中の『北八ヶ岳池巡り歩き』に興味を惹かれ、連れて行ってくれという。
普段、山に酒に飯にに、とても世話になっている先輩だから、OK牧場!と軽い返事をしてしまったが、実は本当に大丈夫だったのかしらと一抹の不安を覚えた感は否めませんでした。

北横岳登山道

色んな山をどんどこ縦走できる山の“足”は確実に持っているので、歩きに関しては全く心配はしていなかったのだけれど、まずは雪山の高価な装備。それから超寒がりの体質などなど。連れて行くことを引き受けてしまった手前、しばらく心配事が尽きなかった。
でもま、装備については多少痛い出費があったようであるが、あとはすべてレンタルで何とか間に合わせて、雪山出撃スタイルは当日までにはちゃんと整っていた。

疲労困憊中のタビカミさん

ところがドッコイショで、先輩、なんと歩きの方で初めての雪山にまさかの疲労こんぱい。
底の硬い雪山用の重たい登山靴に12本爪アイゼン装着、ワカンやスノーシューを付け替えたりで、もう足取りが重く、すっかり夏の山で見せつけてくれていた軽快なステップの歩きではなかったのである。
とは云えそこはやはり山慣れした猛者なもので、時間が経つにつれモノにしていったのは流石ですが、弱い一面が見れてとても楽しい(こちらは)山行でした。

氷結した雨池
【氷結した雨池】

さてやっとここから山行の話。
歩いてきたコースは記事タイトルにもあるように、雪の“北八ヶ岳池巡り”をメインとしたもので、七ツ池、雨池、白駒池の、氷結した三つの池を渡り歩くと云うもの。多少の距離こそあれど、ゆっくりゆるゆると雪の北八ヶ岳をワカンとスノーシューで楽しめるコースでした。
宿は初めて泊まる“麦草ヒュッテ”。いろいろな面で、とても評判の良い山小屋なので、それはもう楽しみ楽しみでした♪

北八ヶ岳坪庭

まずは北八ヶ岳ロープウェイに乗って山頂駅までひとっ飛び。
JAF会員割引で一人往復1700円でした。坪庭に降り立ってしばらく歩くと、雪が硬く締まっていたので初めからアイゼンを装着してのハイクアップ。北横岳を目指します。天気が良くて青空が目に眩しい。この日は平日登山だったので、登山者は本当にまばら。それをいいことに途中の登山道では思い思いに立ち止まって、廻りの景色をじっくりと目に焼き付けます。

北横岳登山道

北横岳ヒュッテ

北横岳ヒュッテに到着後は、再び装備を整えて“北横岳”へ向かいます。
何度か頂を踏んだことはありますが、いつも風が強く(寒く)、山頂での滞在時間はほんの数分しか居ません。ところがこの日の風はそれほど強くなくて意外と穏やか。頭上には雲が多くなってきてはいましたが、まだまだ青空は健在で、北横岳の山頂でのんびりするには最適な日和でした。

北横岳山頂
【北横岳山頂】

北横岳山頂直下

氷結した七ツ池
【氷結した七ツ池】

北横岳からの下山後は、目的の池巡りを開始するため先ずは七ツ池へ向かいます。
冬季は雪でただの窪地にしか見えませんが、人の居ない優越感にひたりながら、縞枯山荘を経由して次の雨池へと歩を進めます。雨池峠からは“ボクは”足もとをアイゼンからレンタルしたスノーシューへと履き替える。今まではワカン一辺倒だったので、浮力の大きさに驚かされました。
実際体験してみるとこの差は本当に凄かった。しばらくして雪山装備が一つ増えていなければよいのだが・・・。~_~;

氷結した雨池
【氷結した雨池】

氷結した雨池歩きはとても楽しいものでした。
翌日に向かう白駒池よりは人の出入りが少ないようで、その開放感に大満足しながら雨池の中心部まで歩を進め、仲間と談笑する。わがままを云うともう少しだけノートレースな新雪があって欲しかったけれども、池の上は青空でなくてはならないと云う願望があったので、このロケーションではこれ以上の不満は云えぬ。
今回の雪山山行のルートでは特に、雨池峠〜雨池〜麦草ヒュッテまでを歩いてみたかったのでこれで目的は達成する。

麦草ヒュッテ

さて次は初めて宿泊した“麦草ヒュッテ”のこと。
言わずと知れた超有名な山小屋で通年営業。この日は個室利用をしたので、モンベル会員特典の500円引きを使って一人9500円でした。もちろん朝晩の二食付き。
北八ヶ岳での小屋のたたずまいでは、縞枯山荘には負けるけれども、小屋の雰囲気に関しては負けず劣らずでなかなかのもの。
若いスタッフたちの対応も実にきびきびしていてみな感じが良い。朝晩のごはんも美味しくて文句なんてありません。

麦草ヒュッテの晩ごはん
【麦草ヒュッテの晩ごはん】

冬期の個室にはコタツ、石油ストーブ、ハロゲンヒーターが設置されていましたから、寒さなどはまったく感じませんでした。布団も毛布も部屋にあるだけ使いたい放題なので、多少寒がりの人でも対策は万全かと思えます。
こたつの上での部屋呑みは、皆で持参してきた4号瓶の酒4本をあっと言う間にたいらげてしまって23時前には就寝へ。と云うよりも、ボクはまた例によって気が付いたら朝でした。~_~;

氷結した白駒池
【氷結した白駒池】

翌朝は晴れ。けれども風がそうとうに強い。
なので考えていた行程をちょっと変えて、白駒池からは高見石まで行ってぐるりと廻ってくることにした。白駒池の上を歩いていると、まだ記憶に新しい白駒荘の残念な火事を思い出します。火事の残骸はもうすっかりと解体されて、跡地は新しい小屋の建設に向けてただいま絶賛工事中でした。

高見石小屋のあげパン

高見石小屋では人気の“あげパン”にありつけることができたので、綺麗な小屋の中へ入って30分ほどの大休止を決めこんだ。
ココアときなこのあげパンがすこぶる美味しくて、お代わりしたいほどにお気に入り。次回があれば抹茶ってのもいいな。

北八ヶ岳池巡り登山道

いよいよスノートレッキングも終わり。
麦草ヒュッテに置かせてもらった重たいザックを回収し、狭霧苑地(さぎりえんち)経由でゆっくりと北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅へ向かいます。翌日は土曜日だったため沢山の登山者に会いました。ビックリしたのは雪の上を走る自転車人が数人いたこと。とても楽しそうだった。出逢いの辻あたりでは真ん中の大きな鍋を囲んだグループなんてのも数組いて、これまた楽しそうでした。

北八ヶ岳池巡り歩き

北八ヶ岳をぐるっと歩いてきた今回の雪山山行。
のんびりと楽しむのにはとても良い塩梅のコースでした。健脚の人ならばなんてことはない一日で軽く廻れちゃうコースですが、あえて途中の小屋で一泊して、凍てついた雪の山をこの身で感じてみたかったので、ボクらには最適な雪山の山行となりました。とても愉しめた♪

北八ヶ岳池巡り登山道

■山域:北八ヶ岳 北横岳など
■日時:2018年02月23日(金)~24日(土)☀
■目的:雪山山行と北ヤツ池巡り
■山行:北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅⇒北横岳⇒七ツ池⇒縞枯山荘⇒雨池峠⇒雨池⇒麦草ヒュッテ(泊)⇒白駒池⇒高見石⇒麦草ヒュッテ⇒狭霧苑地(さぎりえんち)⇒出逢いの辻⇒五辻⇒北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅
北八ヶ岳池巡り歩きシャシン記ログ

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合計距離: 24.8 km
最高点の標高: 2482 m
最低点の標高: 2042 m
累積標高(上り): 3010 m
累積標高(下り): -3010 m
総所要時間: 05:01:57
Download file: 2018-02-25.gpx

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