鉢伏山歩きと鉢伏山荘

2025年の初登り。『鉢伏山はちぶせやま』を歩き『鉢伏山荘はちぶせさんそう』に泊まってきた話です。1月11日(土)から12日(日)のこと。

 

去年のことだった。
何度も鉢伏山荘に訪れている山の仲間から、「冬期営業のとても素敵な山小屋があるから一緒にどう?」とお誘いを受けた。

 

山座同定が苦手で山の名も無知な方だから、もちろんボクは鉢伏山も鉢伏山荘も知らなかったのであるが、仲間からの強い推し情報を聞くと行ってみたくてしょうがない気持ちでいっぱいになった。

 

で当日。競争率が高く、土日の予約が難しいとされる難関を突破して、7人の仲間が〝扉温泉〟の登山者用駐車場に集まった。スタートは8時ごろのこと。

 

序盤は何度も行っている仲間たちの跡をついてゆく。

 

ガリガリのいやらしい山道が滑るので、早々にアイゼンを付けて歩いてゆく。
この日はアイゼンの選択に迷ったが、たまには前爪のあるちゃんとしたアイゼンを装着したかったので、12本爪アイゼンを持参。久しぶりに付けるとやはり足が重い‥。軽いの欲しい‥。

 

寒くて薄暗い樹林帯。
日差しが差し込み明るくなってくるのはまだまだ先のこと。

 

年が明けて最初の登山となる仲間も多い。明けましておめでとう、今年もよろしくね。てことで今年もおしゃべり多めの山歩きとなりそうだ。

 

標識案内のあるところからは、一気に高度を上げてゆく。

 

つづら折りの雪道を、がしがしと登る。
このあたりからだんだんと空が広く明るくなってくる。

 

ピーカン♪

 

山頂まではもう少し‥。

深い雪の斜面を抜けると、普段は風の通り道になっているのか、雪は少ないのに地面がバリバリに凍てついているところにひょっこりと出る。眺めは最高だった。何年か前に行った〝王ヶ頭ホテル〟のアンテナ群が良く見えた。

 

とりあえず、先ずは広い山頂へ向かう。

 

鉢伏神社の鳥居越しに見る景色が美しい。

 

諏訪湖と八ヶ岳。

鉢伏山頂。13:50分ごろのこと。
山頂標識の向こうに見える展望台の中で小休止。

 

 

さて、この日の目的は『鉢伏山』の頂きを踏むことであったが、この日の目的地は『鉢伏山荘』であったので、一目散に山頂をあとにする。

 

山歩きの後は、冬の季節に営む『鉢伏山荘冬期営業』小屋で仲間との新年会。
この山小屋に来ることが目当てのこの山行。いろいろと聞いていた通りであった。

 

とても個性的で特徴的な鉢伏山荘冬期営業小屋は、母屋である〝鉢伏山荘〟に隣接する施設〝食堂棟〟と〝宿泊棟〟の二棟で営まれる特殊な形態となっていた。

 

昼間は喫茶店として一般登山者に開放している食堂棟で受付を行い、そして隣の宿泊棟に移動して寝床を整える。
どちらの建物もストーブが付いているので全く寒くはないが、どちらも夜にストーブが消えると途端に凍えるほど寒くなる。

 

そんな小屋に温かな灯を照らす、小屋番の奥山愛さんの取り組みと人柄が素晴らしかった。特にソフトの面。仲間がこの小屋に、どうりで惹きつけられるわけだ‥。

 

コンクリート打放しの宿泊棟で、寝床を整える。

 

打放しの無機質な質感で寒さが増すようだが、和紙の丸い照明器具や積み重ねた畳によって、寒さが和らぐから不思議だ。
とは云っても、翌朝のコンクリートの壁は、結露がバリバリに凍てついて大変な事になっていた‥。

 

着替えてひと息入れたら食堂棟へ。
ビールは最初からロング缶を頼むところがこの仲間のいいところ👌

 

そんなに高くはない価格で、たいていのアルコールは売っていた。

 

イカを炙って日本酒の熱燗をする仲間には、八代亜紀の舟唄をiPhoneでBGMに流してあげた♪

 

食堂棟の窓から見えたこの景色も肴に‥。

 

6種類から選べるカレーの晩ごはんは17:30分から。

 

カレーはレトルトを温めたものであったが、これがめちゃくちゃ美味しい♪ レモンペッパーチキンカレーを選んだ。
他にサラダと唐揚げの副菜も付いてくるんで、とても満足度は高かった。

 

そしたらなんと、食堂棟でのこの食事シーンと団らんの様子を撮影にきていたクルーがいた。NHKBS「にっぽん百名山」の隊だった。
メインは鉢伏山荘冬期営業小屋だからどう使われるのか分からないけれど、BSでは3/3㊊、BSP4Kでは2/27㊍に放送されるらしい。

 

毛布と毛布に挟まって休む温かな寝方と、小屋が用意してくれる湯たんぽのおかげで、予想以上にぐっすりと眠れた翌日。
朝ごはんは07:30分から。

 

これも噂に聞いていた通り、リゾットもスープもパンも大変に美味しい♪ がっついて食べてしまった。
食後にはドリップコーヒーをいただけるのもとてもありがたい。

 

女性の小屋番さんならではの細やかな配慮がたくさん詰まった、とても素敵な山小屋だった。
今回我々7名の他に、年配の常連さんが一人いたのだが、うるさくしてはいなかったかと心配で仕方がない苦笑。定員は8名まで。

 

宿泊棟からのピクチャーウインドウが素晴らしい!

 

鉢伏山荘冬季営業小屋のトイレは、大も小も携帯トイレでするスタイルになっている。
実はその携帯トイレというものは未だ使ったことが無く、若干抵抗があったのだがいざ使ってみると、準備する面倒くささはあるものの、全く抵抗なく使えていた。
使用回数も、おしっこ近い病のボクでさえ、与えられた一人分の携帯トイレ4回分でどうにかなった。追加は1回100円で有料。

 

小屋の前で下山の準備を開始する。09:15分ごろのこと。

 

下山ルートは扉温泉までのピストンだから、帰りは少し違う方向へ足を延ばして、素敵な山並みを目に焼き付けてから下ってゆく。

 

妙高山方面かしら‥。

白馬岳、鹿島槍ヶ岳方面だと思うきっと‥。

常念岳、穂高岳方面はわかる。
とにかく雪の山は美しい♡

 

さて、十分に堪能したら、本格的に下山となる。

 

苦労して登ってきた反面、下りはあっという間に到着。

 

今年一発目の山歩きは、仲間との新年会も兼ねていたからか、とても印象深く記憶に残る小屋泊山行となった。
仲間の一人が、鉢伏山は簡単に登れてこの絶景はずるいよね~とか言っていたが、ボクにはそこまでずるくない‥。しっかり歩きの雪山山行だったな。

 

今回は鉢伏山荘の予約争奪戦を勝ち取ってくれた仲間のおかげで楽しめた。今年もまたいつか、このメンバーで歩けたらきっと楽しいことうけあいだ。

後泊の『崖の湯温泉 山上旅館やまじょうりょかん』につづく。

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合計距離: 11.99 km
最高点の標高: 1931 m
最低点の標高: 1043 m
累積標高(上り): 1043 m
累積標高(下り): -1050 m
総所要時間: 04:06:20
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