ほぼ1年前、ハンターテントキャビンと云う施設を使いキャンプしたことがあります。これは北軽井沢スウィートグラスにあるもので、大変便利なキャンプ施設のうちの一つでした。それはまるで、狩りをしたハンターがテントとキャビンで過ごせるよるな設え。なかなか洒落た比喩の施設名。ハンティングがキャンピングになり、豪快なアウトドアのアクティビティを満喫できる施設でした。
その施設がこの春リニューアルし、さらなる進化を遂げたようです。それで先週の土日に、新しいハンターテントキャビンをモニタリング調査してきました。時は新緑の頃。鮮やかな木々の葉がこの施設をより一層際立たせてくれてました。これで最初からスカッと晴れた青い空が出てりゃもう文句無しでしたけれど、雨が降っていてもハンターテントキャビン、かなり楽しめる事がわかったので良しとしよう。
古い「旧ハンターテントキャビン」とリニューアルした「新ハンターテントキャビン」の大きな相違点は「キャビン棟」であるが、まずは写真左側「テント棟」の方でのリニューアル話。丸太の椅子(SH=400mm)が5つ標準装備され、梁からぶら下がるペンダントライトが1個追加されていた。支柱にはブラケットハンガーが新しく取付られてましたから、持参したランタンをメイン照明にしたい場合、それが便利に活躍するはず。その他、備え付けのテーブル(D420mm×W1400mm×H820mm)、ニッチ棚、外部コンセント、あり。標準装備のダイナミックグリルと、ダッチや鍋などを吊す三脚の仕様はそのままで装備。テント棟の方の大きなリニューアルはそんなところ。個人的に、壁の補強材に袋物や道具類をぶら下げられるフックなどがあると良かったかなと思う。無い物ねだり。持参すれば良いだけ。
そしてキャビン棟は、屋根の形が四角すいのシングルウォールから、切り妻形のダブルウォールに変わっており、大黒柱が無くなり、キャビンの室容積がアップしてかなり広くなってました。ダブルウォールのテントになったことにより、結露対策や遮熱効果、さらには耐久性など、格段に向上したのではないかと思われます。改良後のキャビンが快適に過ごせるのでこれはありがたい変更点だと思う。風通しも良く、換気効率も上がってました。キャビンの外観は、細長い丸太が随所に使われており、それが良いアクセントとなっていて表情が豊かに見える。隣のテント棟とのバランスも違和感なくマッチング。双方、これで相性がバッチリになった感じです。室内へのアプローチは、網戸を含めて3重の入口ファスナーを開けて入室する仕組みになっている。一番外側の片側だけは、ぴらっとめくり、カラビナによってオープンに出来るのだが、どうせなら左右両方とも開いてもっとテント棟との一体感が欲しかったところであるが、室内のストーブの安全性を考えると致し方ないことなのであろう。
キャビン内は、土足の土間スペースと30cm床が高い小上がりの座敷スペースがあり、いかほどにもくつろげる。リラックスの仕方はいろいろ。ただ座敷のスペースにはクッションフロアーが敷かれているとはいえ、寝袋だけでは床が堅いから、マットや毛布を持参すると快適睡眠間違いなし。座敷のスペースには新しく棚が設置されてました。ザックやバッグに衣類などをまとめておけば室内綺麗に整頓できます。棚、好印象。使い勝手良し。
土間に置かれた木のテーブル(D800mm×W1500mm×H650mm)とベンチ(D350mm×W1300mm×H350mm)は土足で使えるエリアにあるから便利ですし、薪ストーブは多目的に使えるから使用頻度が高い。暖をとる他、お湯が沸かせるし、スルメも乗っけておける。夜も更けて、ストーブのガラス扉越しから見える薪の火を対面のベンチから見ていると、揺らめく炎が良い雰囲気でお酒が進んでしまいます。薪ストーブ、火をつけるのが結構難しいから、施設の取り扱いマニュアルは必読です。
ご飯は気分だけハンターらしく、少しワイルドにやってみました。緑生地のテント棟で、ワイルドに焚き火料理である。施設に標準装備されているものだけでなんとか調理してみたかったので、そのまま、皮付きで、缶のままで、何もかも、焼いた。
皮付きトウキビ、そのまんま空豆、皮付きタマネギ、そしてフランスパン。それから、サケ缶、オイルサーディン缶、ウインナー缶など。サケ缶にはチーズを乗っけて醤油をたらしたら最高だった。オイルサーディンは文句なしに絶品。パンを残りのオイルにちょっちょっと付けて食べるとさらに美味しかった。メインのつもりで買った肉厚のハムはお腹に入る許容範囲を超えてしまい、翌朝の朝食ゆきとなりました。燃えたぎるこの網の上にさっと乗っけてさっと食べてしまいたかったけれど、身動きが取れない程のお腹になってしまったので諦めた。でも別腹デザートは食べた。豪快に網の上にバナナを乗っけて、焼バナナした。真っ黒でビックリだったが、これは意外に旨くてビックリでもあった。新たな発見。
焚き火料理は意外と面白かった。火加減にあわせ、網の位置を調節するだけだから、ものぐさには最適。真っ黒に焦げてしまっても、それはそれ。楽しいじゃないかと云う気持ちでやりました。でも皮付きですと、真っ黒になるまで焼かないと、中まで火が通りませんから、ビールでも呑みながら、放っておけば良いのである。
薪はスウィートグラスで買いました。焚き付け用に細いのを10本と、火持ちさせる為の薪(ナラ)を二束。この日は雨で肌寒かったのでキャビン棟のストーブをつけましたが、薪は二束で充分足りた。あとは安心のために、少量の炭はやっぱり必要。ストーブの火付けに手間取り、少し使ってしまいました。
翌朝は見事に晴れた。起きたばかりのときは土砂降りの雨でどうしたものかと思ったけれど、外に出て、やっと空を見上げることができた。ここのサイトは新緑のミズナラが本当に綺麗。日差しが葉の隙間から地面に落ち、白黒の陰影をつくってくれます。ひとたび風が吹けば、地面のスクリーンがいきいきと動き始めますし、そんな風景を見ているだけで心躍ります。目覚めのコーヒーを飲みながら至福のひとときを楽しみました。
リニューアルしたハンターテントキャビン。新しく改修しただけのことはありました。調査したこの6月中旬以外はまだ使ったことがありませんから、真夏や真冬の厳しい頃がどんな感じなのか伝えられませんが、この時期はここでキャンプするのには最高の時。瑞々しいし、雨降るし、晴れもする。肌寒くもあり、Tシャツになる程に暑くもある。なので焚き火もできますし、薪ストーブもできる。アクティビティが豊富で、だから楽しい。
開放的でワイルドなテント棟に、独創的でしっかり休めるキャビン棟。このキャンプ場は、どうしたらいつもこんなに魅力的な施設を誕生させられるのだろうと尊敬してしまう。バイタリティ溢れるこの姿勢、自身の仕事にもぜひ見習いたいものだ。
さてこの施設。ボクはほぼ完成形になったのではないかと思っています。これから春夏秋冬一年を通してみて、また違ったプチリニューアルがあるかも知れませんが、使い勝手が向上し、もっと快適に過ごせる施設になってゆくのであれば、どしどし変貌していってほしいと思っている。とても楽しかった二日間。こんな機会をあたえてくれたSGに感謝。