イグルーづくり自主練 with 1546峰

乗鞍岳でイグルー(雪のブロックを積み上げてつくる簡易的な住居)づくりの〝体験講習会〟に参加してきた成果を試すため、雪がまだたっぷりあるであろう〝1546峰〟の山で、イグルーを自主練してきたお話。3月23日㊐のこと。

 

本当は土日でイグルー泊をしたかったのだが、もう一度一人でイグルーをつくってみないと安心ができないタチなので、今回の山行は自主練のつもりで雪山へ行ってきた。

 

考えていたイグルー適地までは登山口から1h30ほどの登り。
寝袋寝具にお酒に食料に調理道具などの嵩張る大きなモノは必要ないとは云え、スコップにスノーソーにスノーシューにアイゼンなど重い道具がある限り、山の上でイグルーをつくりに行くだけでもなかなかに険しい。

 

今回は名のある山頂へは行かずにノンピーク山行。イグルーづくりに最適な場所をひたすらに探して歩いた雪山歩きとなった。

 

でも‥足を踏み入れてきた山は、そんなに上まで行かずとも、どこでもその辺でイグルーがつくれるような雪多い適地がたくさんあった。

 

重くて暑くて「もうこの辺でいいんじゃね??」と考えていたボクとは対照的に、「もう少し景色の良いところでイグりたい!!」と云うヨメさんに付いて行った先の小高いピークが、〝1546峰〟であった。そこまで行って大正解♪

 

各々準備を整えたら、イグルーづくりに着手。
10時ちょうどのことだった。

 

今回ボクは数人用の少し大きめのイグルーに挑戦してみることにした。
イグルスキー米山先生〟に教わったトレンチ工法(足場の溝を中心に掘り込みその周辺から雪のブロックを取り出してゆく工法)を忠実に実行し、下へ下へと雪を掘りおこし切り出してゆく。

 

ヨメさんは講習どきの前回を反省して、少し小さめのイグルーづくりに精を出していた。

 

夢中でつくっていたら、2hなんてあっという間。

 

あらかた屋根を構成したところで外へ出て“隙間塞ぎ”の仕上げにかかっていると、横のヨメイグルーもぼちぼち完成の様子となっていた。

 

双方とも、想定していた時間内に出来上がりなかなかの出来栄え。
今回は下に三層、1mぐらい掘り下げて雪のブロックを取り出した。若干足りなかった分は、横壁から三角柱ブロックを取り出して補てんした。

 

いやしかしイグルーの中って本当に広くて温かい!!
天井が高いからテントの中のような圧迫感が無くて快適。立って着替えられるのも素敵。掘り下げた部分は風の影響を受けづらいから温かくて無敵。と、イグルー上手くつくれたら本当にいいこと尽くめだ。

 

各々のイグルーが完成しやっとお昼ごはん。
雪でころころしてキンキンに冷やしたノンアルコールビールとカップラーメンが、何倍にも美味しく感じられた。特にヨメさんに至っては、前回未完だったから喜びもひとしお。

 

1546峰を13時に下山し、14時には登山口へ戻った。

 

登り始めた8時頃は雪が締まって歩きやすかったのだが、お昼を過ぎるともう雪はくさってどこもシャーベット状で非常に歩きにくい。ツボ足なら膝まで埋ってしまうあり様で、これが地味に疲れるのだ‥‥。

 

この日の気温の高さは異常であったが、良きイグルーづくりの自主練となった。これでボクもヨメさんも少しは自信が付いたイグルー山行だったので、次につながれば嬉しい。
この次はいよいよ、何処かでイグルー泊をして、さらにスキルアップを狙いたい!!

 

[反省点と懸念事]
・切り出した雪ブロックは一段目からやや内側に配置した方が、部材を節約できて高さも抑えることができると学んだ。

 

・気温が高い時の雪ブロックの耐久性のこと。
切り出した雪ブロックを積み上げてゆくと、すごい早さで雪が解けて角が丸くなり、薄い板状に切り出したもんならたわんでくるもの早いので、こうした場合の対策も考えておかねばならないと学んだ。

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