〈②からの続き〉
縦走してきた山歩き。2日目。
大雪山を『旭岳in~天人峡out』のコースで歩いてきた話です。7月3日㊊から7月5日㊌のこと。2日目は7/4㊋の内容です。
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1日目:大雪山旭岳LW→旭岳→北海岳→白雲岳避難小屋(泊)
2日目:白雲岳避難小屋→忠別岳→五色岳→化雲岳→ヒサゴ沼避難小屋(泊)
3日目:ヒサゴ沼避難小屋→トムラウシ山→化雲岳→天人峡
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朝4時に起床し、6時には小屋を出発。この日 宿泊した“白雲岳避難小屋”の2階には、17人もの登山者がいた。とは云っても、窮屈さは全く感じられず、とても快適な小屋泊を過ごすことができた。
それもそのはず、3年ほど前(2020年の秋)に建て替えられたこの小屋は、まだまだ新しさを感じられ、すごく綺麗な建物だった。天井も高く、窓からの採光も期待できるためにすごく明るく清潔である。
そんな小屋の中で、ボクらの隣で寝床を共にした方に、動物写真家の“佐藤圭さん”がいた。小屋の外でそして中で、ヒグマやエゾシカ、エゾユキウサギにエゾシマリスなどの話をたくさん聞いた。雪渓にいた子連れのクマも、佐藤さんに聞いて理解がとても深まった。タイミングが良くてとても楽しいレクチャーであった♪
さて、トムラウシ山を目指します。先ずは“高根ヶ原”方面へ歩みを進めてゆく。
おや‥? おや おや‥!?
なんと仲間が2人増えている!!笑
山中でもう3日間も一緒にいると、不思議となんだか他人のような気がしない笑。彼女たちはボクらが大雪山へ入山した日(7/3㊊)、新潟港から車を“フェリー(新日本海フェリー)”に載せて、16時間かけて小樽港へやってきた。
そんでその足で大雪山へ入山してしまうのだから、なんとタフな連中であろうか。飯豊山を軽く日帰りでやってしまうような人たちは、やっぱり皆こうなのかしら‥。
てことでここからは、新しくできた新潟の山仲間と共に、大雪山の縦走歩きを楽しんでゆくことになりました。なんと予定していた行程がボクらとほとんど一緒という巡り合わせ。なんとも心強い!
北海道へ来ても、飯豊に関する縁は健在で笑う。
高根ヶ原分岐まで、ずんずん進む。
女子たちは足が速いくせにすっかりとお花に夢中なので、いつもはシンガリを務めて後方から写真を撮りながら歩いてゆくボクが、何故かこの山行では先頭に立つことが多かった。
とりあえず、ボクも皆に習ってお花の写真は撮っておく。のちにこれが、大雪山固有種のホソバウルップソウだと分かった。
と、それの撮影に余念がないBBAたち‥。
はよ来い!! この日は長丁場なので先へ進みたい!!
高根ヶ原分岐に到着。
ここからは、三笠新道を歩いてヤンベ分岐を経由し、“大雪高原山荘”へ抜けるルートもあるようだが、クマの出没(情報源は“高原温泉ヒグマ情報センター”が豊富)によって通行が禁止となっていた。残念。いつかは歩いてみたい道である。
さらに先へ進み、空沼と高原沼を、高台から眺めてみる。
‥‥雪渓の黒い点が、どれもクマのように見えてならない。今にも動きだしそうだ!!
大雪山の広さを感じられるようなところで腰を下ろして小休止。
あたりはそこら中、ピンクのコマクサだらけであった。踏まぬように注意する。
背の高いハイマツ帯を通るときは、いよいよ“ホイッスル”の出番である!?
でも、クマと出会さないようにピーピー吹きながら歩いてゆくと、息が続かなくてめちゃくちゃバテることを学んだ。ホイッスルは要所要所で吹くのが良いみたい。
段々と、次なる休憩ポイントの忠別岳が近くなってきた。
クマが居そうな忠別沼の木道を、すんごい勢いでずんずん歩いてゆく。
こうしたゼブラ柄の景色が本当に素敵でたまらなかった👌
『忠別岳』の山頂にて。2日目は朝から晴れてくれて本当にありがたい👌
そして次には“忠別岳避難小屋”が見えてくる。
後日談になるが、白雲岳避難小屋では、本当にタイミングよく小屋泊を利用することができてホッとしている。
ボクらが縦走した翌週、クマの親子がテント場に急接近したため、なんとテント場が利用禁止となり、小屋泊も緊急時以外は利用ができなかったようだ。
クマを敬うカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)とはいえ、白雲岳避難小屋を拠点の一つとして計画した縦走の場合、そんな事態に遭遇してしまったら、次の宿泊先は忠別岳避難小屋になるので、その日の行程はとてもタイトなものになりそうだ‥。
ボクはとてもじゃないが、18kgものザックを背負って、旭岳LWから一気に忠別岳避難小屋まで歩いて来られる自信はない。今回の山行‥本当にナイスタイミングであった。
次は“五色岳”で小休止。
忠別岳避難小屋分岐からの登り返しが特にキツかった。キツくて有名な飯豊山をホーム山とするさすがのOKP50も、連日の寝不足からか、口数少なく珍しくバテていた。
そりゃあそうだ‥、お花と遭遇する度にしゃがんで撮影するもんだから、重たいザック背負ってずっとスクワットしているもんだもの。誰でもバテる。
ところが、ヨメ氏はナルゲンボトルをラッパ飲み。疲れなんて「何処吹く風」か‥。
先の雪渓で、何やら黒くて動くものを発見!!( ఠ_ఠ )
‥仕方がないから先へ進む。
‥シカであってほしかった。
‥シカでほっとする。
先の樹林で、何やら黒くて動くものを発見!!( ఠ_ఠ )
‥黄色だから、ギンザンマシコのメスのようだ。
気持ちの良い木道を歩いてゆく。
ヒサゴ沼分岐。神遊びの庭へ。
もちろん、ショートカットしてヒサゴ沼避難小屋方面へ進む。
無風だったので、雪渓の上がとにかく涼しい♪
木道と湿原とお花畑。そしてその先にトムラウシ山が鎮座しているのがなんとも格好良い。北海道の山、本当に広くて迫力満点だ。
ちょうど100年前、大雪山を歩いた詩人の大町桂月が云った、
「富士山に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って山岳の大きさを語れ」
なる有名な文章を思いだす。なるほど、とても納得できるシーンであった。
ヒサゴ沼避難小屋が見えてきた。
それほどの斜度は無いが、疲れで滑らないように雪渓を慎重に下ってゆく。
『ヒサゴ沼避難小屋』に到着。
トイレ棟の床の“用足し穴”が、大きくてスリル満点であった。酔っ払って用を足さないように、気をつけたい。
この日は1階に9人、2階に4人、計13人の宿泊者が避難小屋を利用していた。
今山行はテント泊装備で臨んできたが、この日は夜半から雨予報だったので避難小屋泊としたのだった。
そして寝床を確保して一息ついたら、水を汲みにゆき、ビールを冷やし、小屋の中でこの日いちにちの労をねぎらい仲間と乾杯するのであった。
この日は持参してきたすべての酒(保険のウイスキーと小ワイン)を呑み、ASEちゃんがおすそ分けしてくれた“鴨のスモーク”をじっくりと味わいながら、キンキンに冷えたビールを呑むのが最高に美味でした♪
2日目も、記憶に残る素晴らしい光景があった!
『北海道に乾杯』
〈翌日の④終へ続く〉