空木岳歩き 後編

続き

―9月12日㊊―
〝空木岳〟へのリベンジ山行が成功し、山頂でゆっくり30分も滞在したあとは、次なる目的地の酒処〝ピノキオ小屋(檜尾小屋)〟へと歩みを進めます。

 

さてその次なる目的地へは、山と高原地図(木曽駒・空木岳 2015年度版)によると、コースタイムが5時間10分となっていた。ふむ‥、これはきっと嘘である‥。
実はボクら、多少のトラブルがあったとはいえこの日のコースタイム、8時間もかかっていた…。単にのんびり屋さんの二人なのかもしれないが、中央アルプスのこの地図のCT、厳しめに明記されているものだと信じたい…。^_^;

 

 

先ずは大きな岩場ごろごろな激下りのエリアをやり過ごし、“木曾殿山荘”へと向かうのであった。が、ここでヨメ氏の膝に激痛のトラブルが発生する。
以前に治療した『ACL』ではないらしいが、治療した側のヒザに、強烈な痛みが発生ししばらく歩けないと云う…。

 

時間をかけて だましだまし下るものの、まるで歩みがおばあちゃん。^_^;
ザムストの膝用サポーター(EK-3)を左膝にがっちり取り付けて歩くも、木曾殿山荘へ到着したのは9時半頃にもなっていた…。

 

足底腱膜炎に今度はヒザの痛みも加わって、ヨメ氏の足は故障だらけ‥‥。そんな状態でこの先の檜尾小屋まで本当に歩けるのかと、本人もボクも不安での山歩きが続くのだが、不思議と“登り”ではあまり痛くはないと云うコンディション。
時間をかけて だましだまし先へ進み、痛みに耐えた“根性の山歩き”が続く。

 

東川岳、到着。

 

救いだったのは、歩いてゆく稜線の景色がどこまでも良かったこと。
雲が多めだったり多少ガスったりはしていたが、基本的にはこの日、ピノキオ小屋へ到着するまで、ずっと晴れてくれていたのは嬉しい限り。

 

熊沢岳、到着。
熊沢岳には、本当の山頂とニセの山頂があって不思議でならなかった。しかも標柱がある方がニセの山頂なのだから、こればかりはよく分からない。

 

スリル満点な幾つものくさり場と大滝山をパスしたら、いよいよこの日最後のピークの檜尾岳へ到着する。

 

空木岳から檜尾岳までのこの稜線…。
いやぁ~も~長い長い。アップダウンが激しくてそして険しくて、とても面白かったのであるが兎に角長い…。
けれど、先日の山行はこれを逆方向から歩いて行こうとしていたものだから、考えるだけで恐ろしい。いったいどの位の時間がかかったであろうか…。

 

さて、相変わらず可愛いピノキオ小屋(檜尾小屋)
テン場を抜けて、この日の酒場へやっと到着するのであった。「おかえりなさい!」と云う挨拶とともににこやかな笑顔で出てきてくれた小屋番の井上さん。こうした何気ないやり取りで心温まる山小屋ってのは、つくづく良いものだ。

 

先ずは小屋の前のスペースで、美味しくて冷たいクールダウンを開始する。こんな山の上で、キンキンに冷えているビールにありつける幸せを感じながら、この日の山行をヨメ氏と反省会。
足の痛みにずいぶんと耐えていたようだが、無事に目的地へ到着できて本当に何よりだった。

 

小屋への受付後は、水場まで水を汲みにゆき、寝床を整えて着替えてから、再び外の〝せんべろスペース〟でゆっくり一杯やっていると、「今日の仕事終わり!」と小屋番の井上さん。何やら美味しそうなもの持ってきて宴会に仲間入り。

 

ガラムマサラと胡椒を付けて食べるサラミが格別であった😍
山歩きの帰り、真似て“ガラムマサラ”を買って帰ったほどのお気に入り♡

 

この日の檜尾小屋泊はボクらを含めて四人。テント泊は一人だった。
宴会の途中、名古屋からのお姉さんも加わり、暗くなって寒くなるまで、四人でずっと外で至福の時間を楽しんだ。

 

その後、小屋の中でも宴会は続くのであった!
小屋番さんが振る舞ってくれた美味しい『すいとん汁』を食べながら、ビールに酎ハイ、ワインにウイスキーに日本酒と‥、ピッチよくほいほい呑んでいたら、またいつもの悪い癖が出て知らぬ間に朝になっていた‥。( ꒪Д꒪)
名古屋のかおちん姉さんには迷惑をかけていないことと祈りたい。

 

―9月13日㊋―
早朝。おしっこが酒臭い‥。(´Д`)
檜尾小屋前から見える“日の出前の空模様”が素晴らしく綺麗で驚いた!?
玄関の扉を開いたら、この色鮮やかな景色が見えるのは素晴らしい!!

 

外でまじまじ見てみると、浅間山に八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳に仙丈ヶ岳、北岳に間ノ岳に農鳥岳、富士山に塩見岳などなど、眼の前のパノラマの景色が息を呑むほどの美しさだった。

 

前日に歩いてきた〝空木岳〟の美しさも際立っていた。
やはり、こちら側からみる空木岳の方が格好良く見える。

 

〝中秋の名月〟の翌日でも、月が朝方まで綺麗に見えていた。
随分と古い山用のカメラだが、“Canon PowerShot G3 X”では、通常モードで月をここまで綺麗に撮ることができた。

 

小屋の皆んなで朝日を観賞し、不思議な共感が生まれるのが可笑しい。
山ならではの、こういった時間は本当に素晴らしく思う。この日もとても綺麗な景色の朝だった。

 

 

7時前。
お気に入りの山小屋『檜尾小屋』と小屋番井上さんに別れを告げ、檜尾岳を登り返す。

 

最終日のコースは、前回と同じく檜尾小屋から〝檜尾尾根〟で下る予定でいたのだが、お天気も良く、ヨメ氏の膝の状態も気になるので、短時間で下山できる〝千畳敷までの稜線歩き〟ルートを選択する。

 

何よりお天気が良いんで、この稜線を歩かずして前回のリベンジ山行は成功とは云えないのであった。前回は稜線の途中から真っ白で先が見えない状態であった‥。

 

素晴らしい景色の稜線歩きだったもんで、休憩ばかり取っていた。

 

お昼ごはんと行動食は、尾西の“携帯おにぎり”と日清の“0秒チキンラーメン”が美味しかった。袋飯のおにぎりや、袋ラーメンをまんま食べるスタイルが新鮮。

 

駒峰ヒュッテも檜尾小屋も、小屋閉めは10月10日㊊とのこと。
次、ボクらが再びこのエリアへ来るのはきっと来年になると思うので、今度はよく晴れた日の稜線を歩いて、〝ピノキオ小屋〟で呑むだけにゆくのも悪くない。

 

中央アルプスは、木曽駒ヶ岳と宝剣岳以外はとても空いていて驚いている。

 

三日間とも良い天気に恵まれたリベンジ山行だった。そして、とても静かでダイナミックな稜線歩きを堪能することができた楽しい山歩きだった。

――――――――――

合計距離: 24.56 km
最高点の標高: 2868 m
最低点の標高: 918 m
累積標高(上り): 3475 m
累積標高(下り): -1734 m
総所要時間: 03:20:58
Download file: 2022-09-13 11_09_53.gpx

-山歩きと山登り
-

© 2024 bebeDECO