赤岳歩き 後編

赤岳 文三郎道

前編から続き)3月11日(日曜)のこと。

赤岳鉱泉からゲストの待つ行者小屋までは約40分ほどの緩い登り坂。たまにつづら折れの急登もあったりするので、具合の悪い仲間の様子が気になります。雪はとても良く締まっていて、12本爪のアイゼンがよく効いた。とても歩きやすい雪質でした。

木曜までの赤岳は、ヤマレコやYAMAPで情報収集すると、もうそこら中に岩肌が現れており、まるで雪山ではないように思えてならなかった。ところが金曜には結構な降雪があったようで、この週末の土日はしっかりと“雪山の赤岳”になってくれていました。頭上は朝から澄み渡る青空で、登山日和とはまさにこのこと。この日もとても幸先の良いスタートが切れました。

克ちゃん雅ちゃん

さて、行者小屋で待ってくれていたゲストとは、“いちにち”の克雅夫婦でした。山スキー繋がりやblogでお互いに知らぬ仲ではないのに、コージさんもmieさんも実際に会うのは初めてという二組の夫婦。まぁボクらに云わせてもらうと変態ちっくなところなど実に似た者同士なので、こうした場を持つまでも無く、いつかは出会していた仲に違いない。

地蔵尾根

そんな雪山にたけたスペシャルな仲間に引率してもらいながら、八ヶ岳の主峰、標高2899mの“赤岳”の山頂を目指しました。
この日の山行のルートは、行者小屋から地蔵尾根を歩き、赤岳展望荘を経由して赤岳の頂を踏み、文三郎道で行者小屋まで戻ると云うぐるりっぷなオーソドックスのコース。

地蔵尾根

地蔵尾根に取り付くと序盤から高度感がとくに感じられる急登に心躍ります。青空バックに目の前に広がる阿弥陀岳や目的の赤岳や横岳の山容が素晴らしすぎるのだ。急登の疲れによって足が前に出ないのもあるけれど、景色に感動してなかなか前へ進めないってのもけっして嘘ではありません。

地蔵尾根

さて、前を歩くヨメさんは大丈夫かしらと見てみたら、コージさんと克ちゃんに『後ろから前から』手ほどきを受けながら、何やら楽しそうに慎重に登っていた。ピッケルの刺し方やアイゼンワークなど、とても分かりやすく指導され、ときにはザックごとぐいっとからだを引き上げてもらったりして、雪山のスペシャリスト二人に相当世話になっていたようである。ヨメ、モテモテである♪(・∀・)
そんな贅沢なサポート体制のもとで山登りをしてこられたのだから、ものすごく楽しかったのだそうだ。そりゃあそうだ!~_~;

地蔵ノ頭

地蔵ノ頭にたどり着く前から風がとても強くなり、日射しはあるが寒さを感じるようになってきたので、フードを目深くかぶり、フェイスマスクを上まで上げて、完全防寒スタイルにして赤岳の山頂へとさらに歩を進めます。

ところで、赤岳鉱泉では具合の悪かった仲間のmieさんはと云うと、何やらけろっとしており、先ほどまでの顔面蒼白はどこへやらで、しっかりとした足取りでペース良く歩いていた。これはもう言わずもがな行者小屋で合流してくれた“いちにち”の二人の影響が大きい。

雪の赤岳登山

シンガリをずっと務めてくれたのは“いちにち”の雅ちゃん。一番後ろから鬼嫁ならぬ鬼の目がキラリと光り、ボクらの様子が怪しくはないかとどっしり見守られていたような気がするが、果たしていかに。( ఠ_ఠ )

因みに、いちにちの二人の初めてのデートがここ赤岳だって~のだから恐れ入る。しかも悪天候で雪がたっぷりとあるときに、下の赤岳鉱泉泊ではなくて、上の赤岳展望荘泊なのがこれまた恐れ入る。その頃のフレッシュな“いちにちblog”の様子がすこぶる面白い。

赤岳山頂

きっかり10時。無事、雪のある“赤岳”の山頂にたどり着く。風はひっきりなしだが青空でお天気は良い。磯B感無量。とりあえず、毎週末山歩きをしてきてカラダづくりに励み、目標の一つにしていた雪の赤岳の頂きを踏むことができました。

ボクの登山は、地道にコツコツと低山から何年か足慣らしを繰り返して、有名なメジャー級の山はしっかりと力を付けてから挑むことをモットーにしているので、いやはやここに来るまでに随分と時間がかかりました。
健脚の人ならば登山一年目から雪の赤岳に来られると思うけれども、ボクは登山をロングスパンで愉しみたいので、こんなスローな歩き方にとても満足しています。

赤岳 文三郎道

赤岳の山頂をあとにしたら、文三郎道でくだります。途中の、岩とアイスのミックス地帯は慎重に足を運び、広く大きいスペースのあるところまで一気にくだります。山頂アタックまでの楽しい時間を思い出しながらそして小休止。

阿弥陀岳

ふと中岳、阿弥陀岳の方向に目をやると、文三郎道との分岐で別れた“いちにちの克雅夫婦”の姿が目に入りました。この日、健脚な二人は赤岳では飽き足らず、中岳と阿弥陀岳を経由してから美濃戸口へ戻ると云う。相変わらずのすごい体力に脱帽する。なんといっても日帰りなのがすごい。

J&Nのカレー

行者小屋からはアイゼンとピッケルを仕舞い、再びチェーンアイゼンを装着して南沢ルートへ足を踏み入れた。しばらくペース良く歩く。
すると、朝ごはんはたっぷり食べたはずなのに、途中から猛烈にお腹が空いて、あるメニューが頭にちらつき始めるのだった。美濃戸口ではまだ新しい施設である“J&N”のカレーライスがそれであった。

雪の赤岳登山

J&Nに到着してすぐに生ビールを頼む女性陣への腹立たしさも忘れてしまうほどに、このカレーがすこぶる旨くて大感動♪ けっして大袈裟ではありません。次に美濃戸口へ来ることがある場合、J&Nへの宿泊をキボンヌしたい。ごはんも部屋もお風呂も値段もとても理想的。また一つ楽しみが増えました。(・∀・)

赤岳山頂直下

さて、雪の赤岳山行を終えて、なんとタイミングの良いときに山登りができたのだと嬉しさがこみ上げてくる。金曜に雪が降り、週末の赤岳はボクにとっては最高のコンディション。こんなに嬉しい誤算はなかなか無いと思う。
そして山行に付き合ってくれた二組の山仲間の存在も大きくて、なんとお礼を言ってよいやらだ。
これでまた一つボクらの山登りがステップアップすることができたと思うので、次の目標にしている山に向けて、思いをはせて日々を過ごしていこうと思う。とても楽しい山行でした。

雪の赤岳登山

■山域:南八ヶ岳 赤岳
■日時:2018年03月10日(土)~11日(日)☀
■目的:雪の赤岳
■山行:赤岳山荘P(二日で2000円) ⇒ 北沢 ⇒ 赤岳鉱泉(泊:個室利用で一人二食付き10000円)/赤岳鉱泉 ⇒ 行者小屋 ⇒ 地蔵尾根 ⇒ 地蔵ノ頭 ⇒ 赤岳展望荘 ⇒ 赤岳山頂 ⇒ 立場川源頭のルンゼ ⇒ 文三郎道 ⇒ 行者小屋 ⇒ 南沢 ⇒ 赤岳山荘P ⇒ J&N
■ルートラボ:https://yahoo.jp/agiDWK
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