『槍ヶ岳山頂』
〈前編〉あります。
いよいよ三日目の山行⇒大天荘⇒大天井ヒュッテ⇒喜作新道⇒赤岩岳(巻き道)⇒西岳(巻き道)⇒ヒュッテ西岳⇒水俣乗越⇒東鎌尾根⇒ヒュッテ大槍⇒槍ヶ岳山荘(テント泊一人1000円)⇒槍ヶ岳(登頂♪目的達成)まで。
『雲一つ無い青空と槍ヶ岳』
『無事に体調復活したヨメさん』
『大天井ヒュッテから朝のご挨拶』
昨夜テントの中であれだけ弱気だったヨメさんは、ボクが残したメシも全て無理矢理にたいらげて体力の回復につとめたのが良かったようで、翌朝は元気はつらつになっていた。
顔色も良くうんちも快便。うるさいぐらい。とりあえず何はともあれだ。これでやっと一安心できた。
ではと、いよいよ最終目的地の彼の地へ向かうことにし、先ずは大天井ヒュッテを経由して喜作新道へ向かった。
大天荘から大天井ヒュッテまでのザレた下りが、朝イチの起き抜けのカラダにはやや堪えた。かなり危ない登山道だったので、超慎重に下ってゆく。
すると、朝イチから大天井ヒュッテ横の牛首山を登って下っていたタビカミさんから指笛が鳴り響いた。位置関係としてはボクらが下っている山の反対側の山にいる。ブンブン全身で手を振ってる。二人、朝からものすごい元気だ。苦笑。
しかもボクらが大天井ヒュッテの近くまで下りてゆくと、今度は小屋の窓を開けてまたブンブン手を振ってくる。苦笑。
先輩ったら・・・本当に元気過ぎるZ。~_~;
『喜作新道』
『ヒュッテ西岳』
『タビノカミサマの二人にヒュッテ西岳で追いつかれ小休止』
それで、大天井ヒュッテからはまたまたボクらが先行し、行けるところまでがしがし歩いて行った。
前日とは打って変わり、今度は右側に今回山行の目的の槍ヶ岳がずっと見える。この尾根の展望がこれまたなんとも素晴らしい~♪、が暑い(>_<)
贅沢にも雲一つ無い尾根道歩きだけれど、標高が高いだけに直射日光がボクの真っ白い外人肌にビシバシ来る。肌、事後報告ですが真っ赤っかですよ。まるで鉄さびのような感じ。いた痛い。
そして最終目的地の槍ヶ岳登頂のためならば西岳をも巻き、ヨメさんと二人ヒュッテ西岳にてお昼ごはんを食べてエネルギーチャージ。
目の前の大きな槍ヶ岳を見ながら食べたラーメンとうどんの美味しさと云ったらなかなか他に例えがみつからない。
『東鎌尾根 下る』
『東鎌尾根 歩く』
『東鎌尾根 登る』
『東鎌尾根をサポートしてくれたタビカミさんの二人』
『東鎌尾根をクリアしたヒュッテ大槍直後の槍ヶ岳。格好いい~!』
さぁそして水俣乗越までの激下りに耐えたら、いよいよ今回の核心部、東鎌尾根に挑戦して槍ヶ岳の頂をこの足で踏みにゆきます。ふんがぁ~と鼻息は荒い。
急登を、急登を、、きゅ急登を慎重に慎重に登ってゆくと、どんどん目の前の槍ヶ岳が大きくなってくる。これにはものすごい感動を覚えたものでした。ものすごい臨場感でした。
槍ヶ岳までの登山道を、とても険しくてツラいが、この東鎌尾根のコース取りにして本当に良かったと思っている。
途中でとっくに追いつかれていたチームタビカミの二人のサポートもあって、東鎌尾根を危なげなくどんどこ登ります。ヨメさんもボクもなかなか快調。ゆっくりではあるが、足もなんとか動いてくれた。
小休止して見上げると、槍ヶ岳がどぉ~んとさらに目の前に迫ってくるではないか。左には目的地の槍ヶ岳山荘も目の前に見えてきた。
がしかし小休止中のここヒュッテ大槍から槍ヶ岳山荘までがこれまた長くてツライ険しい道で、下ればそこにテン場のある殺生ヒュッテでももういいんじゃないのかと云う弱気な考えすら浮かぶほど。
『槍ヶ岳山荘』
『槍ヶ岳!』
『槍ヶ岳へ取り付く!』
『槍ヶ岳山頂にて♪』
『槍ヶ岳山頂からの景色!』
『槍ヶ岳山頂直下!』
結局いつもの如くくたくたのへとへとになりながら、だらしのないしまりのない様相で槍ヶ岳山荘へ倒れ込むように到着。
ここで一度是非ともビールと行きたいところであったが、テン場の受付とテントの設営をちゃっちゃと済まして、サブザックを持ってレンタルのヘルメットをかぶっていよいよ最終目的の槍ヶ岳の山頂へと先に向かうのであった。
空いている時間とタイミングを見計らい、とうとう槍ヶ岳の穂先へ取り付く。
ヨメさんもボクもあまりにも楽しすぎて終始ワクワクした気持ちでした。
ここまで歩いてきた幾つかの山々、そしていま目の前にある幾つかの岩場とハシゴをクリアして苦労して辿り着いた山頂は、それはもう感激もひとしお。
山頂からのパノラマの景色はあまりにも美しく、しばらくはぐうの音も出なかった。
影槍ヶ岳も見事に見え、何処までも続く雲海に驚き、そして歩いてきた蝶ヶ岳、常念岳、大天井岳、西岳を確認し、山頂でのひとときに酔いしれたものでした。
『槍ヶ岳山荘テン場11番』
さて、槍ヶ岳の登頂を無事に果たしたあとは、本当のお酒で酔いたいものなので、一同みんなですごいスピードで下り、槍ヶ岳山荘へビールを買いに猛ダッシュ。
・・・・・(இдஇ; )、☆※□★*/$#■△と、んもう~言葉になりません。
ビールが旨いんじゃないんです!ビールが売り切れで全て無いんです!このときほどボクは涙したことはありません。
この先しばらくはこのときの気持ちを忘れることができないと思う。
山の悪友からは殺生ヒュッテまで買いに行ったら伝説になったのにと云われたけれど、すでに槍ヶ岳山頂での大景色に酔いしれていたボクの足が動くはずも無く、登頂祝いの乾杯ビールは泣く泣く断念、あきらめた。
とはいえ、担ぎ上げたザックの中にはプラボトルのバーボンウイスキーが2本入っていたので、美味しい水で割ったものでとりあえずは乾杯することにかこつけた。笑
槍ヶ岳山荘のテン場では11番に陣取り、テントの入口を夜遅くまでずっと開けて、星空観賞を眠くなるまで楽しんだ。山の上でもテントの中でもこの日はずっと酔いしれていた一日でした。
『テントの中から見える星景』
とうとう四日目の山行⇒槍ヶ岳山荘⇒殺生ヒュッテ⇒天狗原分岐⇒ババ平槍沢キャンプ場⇒槍沢ロッヂ⇒横尾⇒徳沢⇒嘉門次小屋⇒河童橋⇒上高地ビジターセンターで終わり。
『殺生ヒュッテ辺りから見上げる槍ヶ岳』
今回山行の最終日は、槍ヶ岳山荘からは上高地までずっと下りだってんで、足の速い同行者タビカミさんの二人と一緒に頑張って歩いてゆくことになった。
とはいえ、ボクらは天狗池をスルーしちゃったものだから、二人は結局は先行して歩いていたボクらにまた追いつくと云うものすごいパワフルぶりな立ち回りをやってのけるのだが。
でボクら、この日は朝から雲一つ無い真っ青な空だったので、紅葉真っ盛りな景色も相まってなかなか歩が進まない。景色がとても美しすぎるのだ。
こんなにもカラフルで綺麗な山はボクは初めて見た気がします。
さらにこの4日間、終始青空が出てくれていて本当にラッキーな山登りだった。でもま、そんな有終の美もカンカン照りの日射しですぐに気持ちが薄れてくる。
ところがここは槍ヶ岳。梓川の源流が位置するところ。下っている最中に水場を見つけると仲間のことなんてお構いなしに、ザックも帽子も何もかも放り出して水浴びをところどころで繰り返して歩いた。
梓川の源流の水は、とても美味しかった。
『天狗原の分岐』
『天狗原の分岐付近』
『ババ平槍沢キャンプ場。水場あり』
『嘉門次小屋のイワナの塩焼き定食。めちゃくちゃ美味しい』
天狗原の分岐を過ぎて歩いてゆくと雪渓がでてきた。そしてババ平のキャンプ場。さらに先へ進むと槍沢ロッヂだ。
ここでボクらは焼き鳥丼と中華丼を注文し、お昼ごはん休憩とした。水場で水を補給し、この先の長いトレイルに備えた。
横尾、徳沢、明神までは各々の一時間ほどの歩き。喋りながら休憩しながら歩けばあっという間の時間帯。
ぼちぼち山旅の終点、上高地を意識してくるも、この辺で一同急激にお腹が減り、タビカミさんオススメのいつもの食事処へ足を向けて明神橋を渡って対岸へ急いだ。
嘉門次小屋を目指す。目指す目的は何と、イワナの塩焼きだ。定食(1600円)にしてもらいかっ食らう。ため息がでるほど美味しかった。
満腹になったあとは、ゆっくりと河童橋まで木道を歩いて、みんなで今回の山旅の思い出にふけった。すぐに帰るのが、何だか勿体なかった。あああ何と名残惜しいことか、と。
あとは、アレだ・・・(ー ー;)、初体験であった未知なる領域を体験したと云うお話など。ボクはあんだけ汗びっしょりかいて4日間も風呂に入らないというのは結構すごいことだなと、思った(笑)
かなり色々と、ビックリしたことであるプス。頭皮が特に痒いのなんの、皆さんよくぞ平気だ。まったくもってたくましい。苦笑。
ボクには夏の縦走は無理っぽい。~_~;
『サルとヨメさんのランデブー。前から歩いてきた人に「猿飼ってるんですか?」と聞かれたらしい(笑)』
『楽しかった槍ヶ岳縦走山行の終了』
あまりにも恵まれすぎた今回のボクの山旅、槍ヶ岳の縦走山歩。
思えば夏休みを8月のお盆の時期に取ろうと霊峰白山と大白川キャンプ場で予定していたのに台風で流れ、次の北アルプス山行はこれまた台風で流れ、その次は悪天候で予定が延期と、流れに流れたボクの夏休みでしたが、ここまで引っ張って天気を味方に付けられて非常に大満足に思う。
とても有意義で良い秋休みとなりました。何もかもに、大感謝です。
けれども、予期せぬ災害の被害に遭われ涙している方々がいるという事実も厳粛に受け止めて、槍ヶ岳の登頂にうかれている場合じゃないことも重々承知もしている。
山の楽しさと怖さをも改めて知った山行でした。長くなりましたがこの辺で〆。長々のお付き合いに感謝。m(_ _)m