栃木百名山の制覇をあと一つに残した山仲間とともに、栃百四天王の一つと数えられる難関山の『黒岩山』を歩いてきた。GW期間中のよく晴れた4月28日の日曜日のこと。
さてその黒岩山。
藪漕ぎ、急登、長丁場。そして山頂以外はほぼ無展望で辛いだけという噂を耳にしていたものだから、仲間から一緒にどう?と誘われたとき少し迷った。しかも日帰りでやると云うから大変だ。
当初は定宿“日光澤温泉”をからめて、一泊で歩きにゆく計画があったのだが、思い立ったが吉日、こうした山行は行けるときに一気に行ってしまわないと、次いつ歩きに行けるか分からないものだから意を決する。
てことで、仲間の『栃木百名山』全山踏破の証人になるべく、ボクらも吉日、キツくて長くて渋〜い黒岩山を歩いてきたお話です。
05:45分。コースは“女夫渕温泉”の駐車場からスタートして、黒岩山までは尾根道を歩いてゆく直登コース。いつもの吊り橋の向こうに見えていた山を越えてゆくのだ。
のっけから急登で高度をばんばん稼いでゆく。
長丁場なんで、休憩を程度に挟んでくれるCLでとても助かった。
それにしても暑い山行であった。
暑熱順化もまだちゃんと満足にできていないから、嫌な汗がばんばん頭から止めどなく流れてくる。
この日の水分は500mlのボトルを5本用意し、最後には全部飲み干した。山ごはんは重いのがネックだが、高カロリーでのど越しの良いゼリー飲料を持っていった。それを休憩の度に少しずつ飲んでゆく。&しょっぱいお煎餅の行動食も少しずつ食べてゆく。
雪がぼちぼち登山道に現れ始めると、藪もちょぼちょぼ出てきて難儀する。
ぶら下がっている飯ごうの道しるべを過ぎると、とうとう背丈ほどのがっつり藪漕ぎ地帯へと突入してゆくのであった。仲間からあまり離れないように、声をかけあいながら先へ先へと進んでゆく。
藪漕ぎ地帯を抜け出てほっとしていると、その先もしっかり藪漕ぎだったりするものだから、疲れの具合が半端ではなかった。
因みに藪漕ぎするときはマダニに噛まれる恐れがあるため、首にはタオルを巻き、暑くてもアームカバーに手袋を付けて完全防備して歩かないと怖ろしい。
現に先頭をゆく仲間の手袋や腕やお腹の服の上に、マダニがくっ付いていたから大慌て。
雪がたっぷり出てくると、歩きづらいのでチェーンスパイクや軽アイゼンなどの滑り止めを早めに装着した。
念のためワカンも持ってきたが、付けて歩くほどの雪質ではなかったので今山行は使わなかった。
笹藪や生い茂る樹木を掻き分けながら、勾配のきつい山頂直下の登りをやり過ごす。
栃木百名山『黒岩山』へ到着する。
この山にて、栃木百名山を踏破した仲間の二人。
『祝』
ヨメさんと二人で体を使ってお祝い!
折角の大パノラマなもので、もったいないから山頂でしっかりと大休憩。
多分もう来ないから(辛くてもうきっと来られない)たっぷりと大休憩。
[会津駒ケ岳]
[燧ケ岳]
[至仏山]
[日光白根山]
[日光連山]
山頂からは、会津駒ヶ岳、燧ヶ岳、至仏山、日光白根山、日光連山が綺麗に一望できた♪ しかも山がすんごく近い!
さて、さっさと下山へ。
とは云っても、これが長いのなんの‥。
歩いても歩いてもなかなか高度が下がって行かず、暑いのも相まって想像以上に疲れ果ててゆく。
明るい樹林帯だったのがせめてもの救い。
17:10分。何とかいつもの吊り橋へ戻って来られた。
17:30分。女夫渕温泉Pに無事到着し解散に至る。
山歩きを始めた頃は、深田久弥の百名山しか知らず、栃木百名山や群馬百名山や山梨百名山らなんてのがあることすら知らずに山歩きをしていた頃が懐かしい。
そのうち、色々と素敵な山をたくさん覚えていき、山の仲間もたくさん増えていくと、今度は色々と凄い山をたくさん教わって知っていくことになった。
それが顕著な山が、ボクにとっては飯豊山なのだが、そんなエリアに誘ってくれたのがこの山行で栃木百名山を踏破したこの二人‥。
こんなめでたい席に(山に)、付き合わない訳には行きません。
しかし今回のこの山、最近厳しい山行をしていなかったとはいえ、ここ最近一番しんどい山歩きだった。まるで飯豊山を歩いているかのよう‥。
因みに栃木百名山の四天王は、大佐飛山(途中敗退)、黒岩山(今回登頂)、錫ヶ岳(まだ未踏)、男鹿岳(同じくまだ未踏)とのこと。
黒岩山でひーこら言っているボクらには、その他の四天王の登頂はきっとありませぬ。
――――――――――
最高点の標高: 2164 m
最低点の標高: 1113 m
累積標高(上り): 1400 m
累積標高(下り): -1399 m
総所要時間: 11:52:42