
以前歩いたのは2015年の5月だから、もう11年も前のことになる『会津駒ヶ岳』。
そのときは10人の山仲間とともに、グルメ山行のようなものをしに、駒の小屋泊まりを目的に歩いたのだった。
それからずいぶん久しぶりとなった、会津駒ヶ岳へ行ってきた話。
3月21日の土曜日。登山口から、しっかりとまだまだ雪山であった。

今回の山歩きの目的は、新しく買い替えた〝雪山装備〟の冬靴と雪山ズボン(ハードシェルパンツ)のテスト。それと、〝痛めていた膝〟のリハビリ。そして例によって、最近どハマり中の〝車中泊〟が目的の山旅だ。

どこへ行ってもきっと混雑しているであろう連休の景勝地も、ノープランで現地へ行ってしまえばどうにかなる。そんな気ままな車中泊が、なんとも心地よい。

山歩きのあとに温泉に入れば、もうくたくた。運転して帰る気など、すっかり失せてしまう。そんなときも、動く宿〝エブリイワゴン〟の威力が発揮されるのだから素晴らしい。
春分の日の三連休ものんびりと下道を走り、温泉に入り、車中泊地へ移動した。
そういえば、登山目的での前泊車中泊は初めての経験であった。

朝早く起きて家から長距離を移動しなくてよいのは、本当に快適だった。なるほど、みんな車中泊で前泊するわけだと妙に納得できた。

さて、村営グラウンド駐車場に車を移動したら、会津駒ヶ岳の〝滝沢登山口〟へ向かう。

初っ端から雪がたっぷりあり、ツボ足(アイゼン無し)で行けるところまで歩く。

そして長い階段が現れる滝沢登山口でアイゼンを装着した。

早朝は気温が低いおかげで、アイゼンがよく効いて歩きやすい。

とはいえ、この日は風がとても厄介だった。
予報では風速20m/s越え。

そんな状態では、フードを被って立ち尽くすしかない。だから、そんな状況の写真すら撮れないのである。

斜度のきつい登りでは、大風に煽られて身体が持っていかれそうになる。
ピッケルを持ってくればよかったなと、後悔する急勾配のところもあった。

ところどころで「あ、ここ昔歩いたな」と思い出す場所があり、なんとも懐かしい。

膝の調子もそこそこ良く、ペースも決して悪くはないはずなのに、後発組にはばんばん抜かれていく始末。歩き始めを6時30分と早めにしておいて正解だった。

強い風は相変わらずだったが、ガスっていた空は次第に回復していき、それに伴い楽しさは倍増していく。
やっぱり雪山は、青空の下で歩きたい。

この日の装備は、ワカンをザックに括りつけ、終始12本爪アイゼンとストックで歩いた。
ピッケルがあった方がよかった場面もあり、スノーシューが欲しくなる場所もあって、その選択はなかなか難しい山行ではあった。

それでも、がんがん抜かれながらもトレースのおかげで、前爪アイゼンを効かせながら快適に歩いて来られたのは、先行登山者たちのおかげである。ありがたいことだ。

混雑していない雪山は、本当に素晴らしい。
この静けさは、なんとも言えないほどの至福の時間だった。

そんなわけで、私たちが山頂に着いたときには、もう誰もいなかった。

十二分に堪能し、澄み切った景色をこれでもかというぐらい愉しんだ。

会津駒ヶ岳の山頂で、銀世界のパノラマの景色に魅了された。
向こうに見える燧ヶ岳と至仏山が本当に綺麗で素晴らしい。
風が強くて寒いのも我慢して、ついつい長居をしてしまった。

ヨメさんの視線は、次回歩きたがっているコースを山頂からリサーチ中。
果たして私に歩いて来られるのか少し不安ではあるが、いつか窓明山と三岩岳方面から縦走して歩いてきたいらしい。

ところで、新調した〝冬靴(AKUハヤツキGTX)〟と〝ハードシェルパンツ(モンベルGORE-TEXインシュレーテッドアルパインパンツ)〟の調子がすこぶる良かった。
冬靴は、踵部分に指を引っ掛けて履きやすくするためのプルストラップが付いていないことさえ除けば、軽くて歩きやすく暖かい。ほぼ100点の履き心地であった。
さらにハードシェルパンツも軽くて暖かく、アイゼンガードも付いていて文句なし。とても良好だった。

これでまた、イグルー山行にもいつでもスタンバイOKである。

山頂時間を十分に楽しんだあとは、まだ雪に深く埋もれてた〝駒の小屋〟の玄関前で小休止。

あれだけゼイゼイ喘いで登ってきた急登も、下りは楽ちん極まりない。
アイゼンを効かせて、がしがし降りていく。でも転ばないように慎重に。ここでまた膝に違和感が走っては元の木阿弥である。

例の適地も、見定めながら下っていく。ゾンデ棒で調べてみると、なんとそこかしこで2mオーバー。
この日、疲れていなければ、スノーソーをぶっ刺してイグりたいところだった。雪質も実に良かったのである。

そんなことをしていたら、なんと下山は15時過ぎ。
久しぶりのちゃんとした登山で、9時間ほど山を歩いていたようだ。くたくたになった。

下山後の膝は、違和感はあるものの大した痛みもなく、リハビリ登山としては順調に歩いてくることができて何よりだった。

ちなみに下山後、駒の湯の温泉に入って汗を流したら、この日ももちろん帰ることができなかった。笑
ホテル車中泊、最高である。
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最高点の標高: 2133 m
最低点の標高: 922 m
累積標高(上り): 1258 m
累積標高(下り): -1255 m
総所要時間: 08:47:14