春の丸鍋会

5/10の土曜日から5/11の日曜日のお話。
春の新緑が山肌を柔らかく包む頃、今年もあの恒例行事がやってきた。

 

その名も『丸鍋会』。
名の通り、共通の「丸鍋まるなべ」を持つ山仲間が年に一度や二度、山小屋に集う呑み会‥いや、会合である。
場所は大菩薩嶺・丸川峠にある名物山小屋「丸川荘」。この小屋の二代目小屋番だった只木貞吉氏を慕う仲間たちが集まり始めたのがそもそもの始まりだ。

 

今回集まったのは、9人の仲間たち。
山好き、酒好き、料理好き。クセが強いけど、みんな情が深くていい顔して笑いの絶えないメンバーたち。

 

会のスタートは、柳沢峠の駐車場から始まる。
けれどもこの日は‥あいにくの霧。空はどんより、湿気はむんむん。でも苔むした登山道は、それはそれで幻想的。靴音がしっとりと土を踏みしめるたび、まるで山にみちびかれているような気分になる。

 

のんびりと歩きつつ、何度か休憩を挟んで約3時間。ようやく見えてきた、お馴染みの山小屋。
今回も二代目小屋番・只木さんが迎えてくれた。忙しく立ち回るのは、三代目にして現小屋番の末澤さん。どちらも変わらずの笑顔が嬉しい。

 

挨拶もそこそこに、早々と宿泊室に荷をほどき、宴会の支度に取りかかる。酒が並び、つまみが並び、鍋が据わる。
これだ!これが丸鍋会だ。お天気がよろしくない時は、こうして呑むしかない。……いや、晴れてたって呑むんだけども笑

 

料理上手が揃ったこの会。手製のパン、昆布締め、前菜ならぬ主菜、副菜の付合せ、ステーキ、自家製ソーセージ、鯛めし、煮込み、干物、などなど全部がうまい。
持ち寄り制が定着してからというもの、宴はもはや「山の美食会」と化している。

 

宴もたけなわ。気づけばボクは、寝袋の中。

 

どうやら途中で記憶を無くしてしまったようで、翌朝、鍋に頭を突っ込んで爆睡していた写真を見せられる始末……。
もしかしてそれは、鍋の精霊ではないのか?苦笑

 

二日酔いに苦しみながらも、自分たちでつくらない朝食は特別に美味しかった。今回は自炊ではなく、末澤小屋番が腕をふるってくれた。
これがまた、沁みる味。味噌汁のあおさの食感も良く、とろり温泉卵もごはんにかけてばっちりグッド👌 米粒のひとつひとつが艶やかでとてもうんまげだった。来年もこのパターンでお願いしたい。

 

帰りの別れ際は、いつも名残惜しい。
小屋番のお二人に礼を言い、「また来ます」と言い置いて、すっかり晴れた下山路を辿っていく。

 

途中、木漏れ日の差す登山道では〝魅力的なもの〟を見つけて一同それに首ったけ‥。そんな、寄り道をいっぱい楽しんで駐車場に戻るとあっという間に14時を過ぎていた。

 

今年も、良き丸鍋会となった。
山も、仲間も、丸鍋も、全部変わらずにこの先もみんな揃って、何年も続けていきたい会であった。また来年、丸川荘で!!

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