敬老の日の三連休。予定していた北飯豊への山行が悪天によってリスケとなった。そうすると引き出しの少ないボクはどうすることもできないので、ヨメさんの豊富な引き出しから秘湯♨温泉のキーワードを引き出した。
行ってきた先は、苗場山の5合目にあるいで湯『赤湯温泉 山口館』だ。
早速電話をかけて、ヨメさんと二人分の予約をゲット。ちょうどその日は空いているようで個室もゲット。代替え山行としては申し分ないほど良い温泉山行となった9/15㊐~9/16㊊のこと。
山歩きのスタートは〝小日橋〟の駐車スペースから。前日の土曜日9/14は大混雑していたようで、車がいっぱいで指定のところには停められず‥。
でもその場合は、小日橋までの林道の路肩に停められるスペースがあるから、通る車の邪魔にならないように停めれば大丈夫、との説明を予約時にもらったので安心であった。
さて、お酒とつまみがたっぷり入った重たいザックを背負って、山歩きの準備を整える。すると、向こうからとても良く知った顔の5人組がおもむろに登場する。
そう‥なんと前日に、ボクらと同じように悪天によって中止した山行の代替え案を探していた山仲間から、3連休は何処に行くのかしら?と探りを入れられてたのだった。内緒にしても仕方がないので、赤湯温泉山口館へ行くよ!と云ったらこうなった‥笑。もちろん部屋は、静かな個室からうるさい7人部屋となってしまったことはいうまでもない笑
しかもこの日、テレビ朝日の“スーパーJチャンネル”の突撃取材を受け、赤湯温泉山口館までの我々の山行に同行したいのだと云う‥。こんな、おじんとおばんを取材したって何にも面白くはないよ と云ったのだが、どこの世界にも物好きはいるものである。
とりあえず先ずは、なぜ赤湯温泉山口館?どうして山歩きを?と取材を受けながら、緩い林道をゆるゆる歩いてゆく。いつもと勝手が違い、手と足が一緒に出て行く。いつものY談もできやしない‥。
棒沢橋の上でインタビューを受ける仲間のスロさん。いつもよりも何だか格好をつけている笑
棒沢橋を過ぎると、急登がぐぐぐっと始まりいつものボクらのペースとなった。ゆっくりと歩いていたつもりだったが、テレ朝の取材チームはいつの間にかいなかった。
赤湯温泉山口館へは、苗場山の5合目となるゆえ、アップダウンのあるなかなかの山道を3時間程度しっかり歩いて行かねばならないが、その先にある温泉♨と酒🍶のためならなんのその。
土砂降り雨に打たれようが、湿度100%の蒸れ蒸れに見舞われようが、ぶら下げたニンジンのためならなんのその。
赤湯一号橋までは特に急登で下りも登りも滝汗だ。
テント場を過ぎて、赤湯二号橋を渡ったら、もうそこは“秘湯 赤湯温泉山口館”の天国エリアであった。
先へ進んでゆくと‥
手前から青湯、
薬師湯、
そして黄白色でロケーションが最高に良い玉子湯があった。どの湯もまだ誰も入っていない♪
でも、汗と雨でびしょ濡れとなった服とザックを何とかしたかったので、山小屋へ宿泊の手続きを先にした。2食付きで一人9000円。もちろんこれは入湯税込みの値段。今どき安い方である。ありがたいことだ。
赤湯温泉山口館は、予約電話越しのお母さんからして感じが良く、まわりの評判もさることながら初めから好印象だった。小屋のスタッフも皆てきぱきしてて働き者で感じもよい。女将さんの人柄ももちろん◎だった。
部屋は新館(別館?)1階の12畳ほどある大広間に案内された。とても明るくて綺麗な和室であった。
部屋の前に“縁側”があるのがとても良かったし、さらにその先の屋根付きテラスがあったのはとても快適であった。
ただこの時期、蚊取り線香を持ってきていたら、さらに快適に過ごせたことだろう。それから、扇子はまだまだ必須アイテムだった。風呂あがりが兎に角暑い。
待望のお風呂は、各々着替えてビールで喉を潤してからinした。入浴時間はこう決められていた。
・玉子湯&薬師湯は18時まで男風呂。18時~20時まで女風呂。
・青湯は18時まで女風呂。18時~20時まで男風呂。
・20時以降はどのお風呂(玉子湯、薬師湯、青湯)も混浴となっていた。
てことでまだお昼の12時半、玉子湯は我々おじんで占拠し、ひとしきりお湯を楽しむのであった。でもって長くゆっくりお湯につかっていると、温泉効果でぽっかぽか。
今度は目の前の川(清津川)に飛び込みクールダウン。水風呂の比じゃない冷たさに肌がキリリと引き締まる感じが良くわかる。
この熱いお湯と冷たい川の水を交互に浴びる温冷浴を繰り返し、蒸し暑さも疲れもスッキリと解消するのだった!!
‥と、キャッキャッしながら2時間近くもお風呂に入っていたようで、宴会は14時半ごろからの開始となった。こうした縁側でビール呑みながら団らんできるのは、風が通って開放的で本当に気持ちが良かった。
少し涼しくなってくると、今度は部屋の中で宴会が続くのだ。話題はあいも変わらずY談で、あそこの山はどうだったこうだったとか、先日の山はどうしたこうしたなどである。
晩ごはんは18時ごろからであった。準備ができると、部屋まで用意ができたと呼びに来てくれる。
全体的に素朴ではあるが、どれもこれもとても美味しい晩ごはんだった。天ぷらも煮物も漬物も好みの味。カレーも赤だしなめこ汁も美味しい。
でも何よりも美味だったのが、お釜炊きしていると云うご飯が旨い。どんぶり飯ぺろっと二杯をおかわりする。
因みに赤湯温泉山口館ではアルコール類の販売はしているが、部屋呑みでも小屋の食事中でも、お酒の持ち込みがOKと許されているのは嬉しい。
勿論、ゴミも含めて各自で持ってきた缶や酒瓶の後始末をして帰るのはあたりまえ。
翌朝、6時前。‥二日酔いを治しに朝風呂へゆく。
朝は、流石に川には冷たすぎて入れなかった‥。
朝ごはんは、6時から8時の間ならいつでも良いことになっていた。
ひじきの小鉢、生卵、納豆、海苔、お新香と、朝ごはんには理想的なおかずを提供してくれる。そして朝も、やっぱりお釜炊きのご飯が美味しかった♡
山口館の食事室。
屋根下まで吹抜けていてじつに気持ちのいい空間だった。
のんびりと下山の準備をして、7時過ぎには宿を出発。
翌日のこの日の天気予報は朝から雨であったが、帰りは何とか雨に打たれることもなく下山できて何よりだった。
それにしても道中‥本当に蒸し暑い山歩きであった。頭からかぶったタオルがあっという間にびしょ濡れとなり困り果てた。絞っても絞ってもエンドレスだもの‥。
赤湯温泉山口館の方からも、あそこの沢水は美味しい!と太鼓判を押された“棒沢”の水をたっぷと汲んで帰る。そのお水で翌日に家で炊いたごはんもとても美味だった。
人数がいきなり大幅増となり笑、急遽行ってきた代替えの温泉山行だったけれど、こうした悪天候のときにも行ける山のプランはやっぱり幾つかストックしておくと心強い👌 今回もナイスヨメさんだった👌
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最高点の標高: 1204 m
最低点の標高: 893 m
累積標高(上り): 918 m
累積標高(下り): -917 m
総所要時間: 01:06:16