日光澤温泉と鬼怒沼湿原歩き

新型コロナウイルスの影響による山歩きの活動自粛中、兎にも角にも“温泉”に入りたかった。しかも、ひとしきり山を歩いて汗びっしょりになった後にざぶんと入る温泉に、だ。
そして風呂上がりにキュ~と呑むのは“瓶ビール”でなければならない。しかも傍らに可愛いワンちゃんがいたらもう最高だ♪

そんな思いを馳せながら、他県への移動制限が解除されるのを心待ちにして、『日光澤温泉』へひとっ風呂浴びに行ってきました。
山歩きは『鬼怒沼湿原』へ。そしたら思いがけない真っ白いふわふわのに出くわせて、とてもタイミングの良いお花見山行ができて何よりだったのです。
そんな梅雨の晴れ間の、7月の2日(木曜)から3日(金曜)のこと。

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5時起き5時半出。東北自動車道へ。日光はウチからは比較的近くて良いんです。3時間も掛からずに目的地の“女夫渕温泉駐車場”へ到着。ジムニーのバックドアを開けて身支度を整えていると、真上からカーカーとカラスの鳴き声がけたたましい。背の高~い木の先端には巣があって雛がいた。親カラスが餌をやっていた。カラスのそんな光景、初めて見た。

風がそよそよ吹いて気持ちの良い奥鬼怒遊歩道を歩いて、先ずは日光澤温泉にある鬼怒沼湿原への“登山口”を目指します。道中の沢沿いでは、去年の台風19号によって被害の大きかった箇所の修復を、そこかしこにしていました。石を積んでより堅牢に。ご苦労さまです。

八丁の湯、加仁湯、手白澤温泉、日光澤温泉と四軒ある奥鬼怒温泉郷では、コロナ禍の影響で改修工事をしている八丁の湯だけが8月いっぱいまで臨時休業の模様。
その他の宿では、宿泊できる部屋を間引いたり、宿泊客を少なくしたりして、換気にも注意し、様々な問題をかかえ苦労しながらも営業を再開したのだそうです。


〈日光澤温泉〉


〈温泉神社〉

登山口の日光澤温泉へ到着。クリンソウの咲く温泉神社で登山の安全を祈願して、標高差600mある鬼怒沼湿原へと向かいます。
ノシ滝、ヒナタオソロシの滝への分岐点、ヒナタオソロシの滝の展望台、渡渉風ポイント、木道などを経由して、2時間40分ほどで鬼怒沼湿原へ。
するとそこには素晴らしくドラマチックな光景があって目を見張ります。

何と!ふわっふわな綿毛(果穂)を付けたワタスゲが群生していました。鬼怒沼湿原までの登山道は、湿原以外はほぼ樹林帯で眺望などが無いため、こうしたワタスゲのような名物があってくれると、辛くてあまり面白くない登山道も別物となりウキウキします。

しかもこの日は何の前情報も得ずに鬼怒沼湿原まで上がって来てしまったので、途中で出会った登山者が興奮気味で云う「スゴイ綺麗でしたー♪最高でしたー♪」の意味が、湿原まで来てやっと分かったのが兎にも角にも良かったのでありました。ご褒美とはまさにこのこと。

さて、ボクらしか居ないこの鬼怒沼湿原を、一時間ほどはゆっくりと堪能したでしょうか。何処を向いてもワタスゲだらけ。写真を撮っても撮ってもワタスゲばかり。ワタスゲすげーところは全く飽きません。ふわふわな綿毛の感触がたまりません。耳の中に入れたくなります。


〈金沼(池塘)と根名草山〉

一番大きな池塘の金沼でお昼ごはんを食べたら、名残惜しい景色でしたが、再びワタスゲだらけの木道を歩いて下山します。
湿原は風が吹いてくれていたから快適な気候でしたが、樹林帯へ入ると無風に近く、湿度が高めで不快指数がMAXに…。下りだと云うのに、汗を拭っても拭っても止まりません…。

でもこの日のゴールは待望の日光澤温泉なのです。きっと可愛いサンボもボクらの帰りを待ちわびてくれているはず。先におつかれビールかな、いや温泉だな。いややっぱり温泉入ってビールだな、などと頭の中はもうすっかりと先の愉しみのことばかり考えてました。
因みにサンボちゃんの愛らしいお出迎えは無く、サンボちゃんはいつまでもいつまでも寝ていて起きなかった…。

待望の温泉。内湯、一番風呂♪

そして洗いたての露天風呂へ。

待ちわびた瓶ビールで喉を大いに潤した。

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〈晩ごはん 18:00から〉


〈朝ごはん 07:00から〉

おつまみ大量に持ってきたけれど、晩ごはんまではあまり時間がなかったのでバカやらずに我慢となった。おかげで日光澤温泉の美味しい晩ごはんは残さずに、お櫃の中のご飯までも一粒も残さずに食べていた。朝晩のごはんは本当に美味しくて何もかもがお気に入り。

サンボ、朝にやっと少しだけ相手をしてくれた。
しょうがねぇな感がサンボの顔から見て取れる…。
なにはともあれ、楽しい慰安温泉山行であった。

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〈1階 廊下〉


〈食堂と囲炉裏〉


〈浴室の前室〉

さてこのコロナ禍での、日光澤温泉の営業姿勢。
基本的に宿泊客は今までよりも人数を制限し、密になる機会を減らして過ごしてもらうと云う方針のようです。
宿側スタッフはマスクを着用し、消毒用アルコールスプレーの設置など対処してくれている他、常に換気用として、扉や引戸や窓を開けているなど、今までとは違った宿の様子となっており、コロナウイルス感染防止の措置をとっている姿勢が随所に垣間見えました。

あとは利用者側である我々も、今までやってきたような予防と対策を忘れずに、気持ちよく宿を利用できたら良いのではないかと感じました。
何れにしろ、色々と双方で模索しながらこのコロナ禍を乗り切らないと、最善の方法なんて見つかりません。withCでの山歩きの仕方もなかなか難しい問題。こうして県外へ越境できても、スカッと晴れた気持ちで山歩きができないのは矢張り辛いものがありますね…。
 

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