北飯豊 頼母木山歩き

北飯豊のハクサンイチゲを見にゆくため、丸森尾根で頼母木山(たもぎやま)へ歩いてゆき、頼母木小屋に泊まって“大反省会”してきた話。5月27日㊏から29日㊊のこと。

 

ここのところ毎回ハクサンイチゲの花見山行は、奥胎内ヒュッテ側から入山し、“足の松尾根”を歩いて朳差岳へとゆき、杁差小屋に泊まるルートとしていた。
ところがなんと!登山口へ向かう県道53号二王子公園羽黒線の途中区間の道路に、大規模な土砂崩れが発生しアクセスができず、今回はそれが叶わなかった。
したがって今山行は、ボクはまだ見知らぬ“丸森尾根”を歩いてゆくため、飯豊山に詳しい仲間がアテンドしてくれた山行となった。良きアドバイザーに恵まれて大感謝。

それでは『北飯豊』の山旅の話。

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5月27日㊏:晴れ
登山口から近い“民宿奥川入”で前泊し、メンバー4人(スロ、キキ、ケーコ、bebe)で英気を養った。

 

軽く軽〜く反省会。酒豪伝説、飲んでおいて本当に良かった‥。

 

一泊、朝と晩ごはん付で8580円。奥川入は民宿のほか、農家と養鶏もやっているから、米と卵がとても美味しい。さらに主人と女将がとても面白い。

 

お風呂から見える景色が抜群だ👌

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5月28日㊐:曇天のちに雨。そして強風を伴う土砂降りへ‥。
倉手山登山口の駐車場に、5時に全員集合する。飯豊に明るく頼もしいカッチン、ちい、秋子が加わってくれて、ものすごい安心感を得る。

 

ところが皆、お互いに胸の内を探りあっているような、微妙な面持ちだった。それもそのはず‥、信頼度の高いヤマテンによると、登山初日も二日目も雨なのだ。朝からまいっちんぐであった。

 

てことで、飯豊山荘前の“丸森尾根”の登山口から登山を開始する。
ボクとヨメさんは、飯豊山は一年ぶり。ちょうど一年前は、初めての山ツアーで“梅花皮大滝”を歩いていた。とても印象深く、素晴らしい山歩きであった。

 

そんな事を思い出しながら、初っ端から急登で険しい山道をがしがし歩いてゆく。

 

湿度が高く、暑い‥。もうのっけから滝汗である。まるで滝のように汗が頭から流れ落ちてくる。仲間はTシャツを脱いで、3回ぐらい絞っていた。
遠くに見えるたおやかな山が“飯豊本山”だ。“一年程前に歩いた”記憶がよみがえる。

 

“夫婦清水”で一休み。
雪渓は涼しいのだが、ブヨの攻撃が半端ではなかった。この時期、虫除けスプレー、虫除けネットなど、対策はとても大事だなと思った。耳の周辺、集中的に喰われて痒い‥。トンボよ、早く上がってきてくれ!

 

雪渓の山肌が綺麗で目を見張る。

 

本来、目的としていた朳差岳と朳差小屋もちょこんと見えてきた。

 

サラサドウダンツツジが鈴なりの山道を抜けてゆく。

 

そして“のぞき”の木陰で一休み。
毎回、CL(チームリーダー)は絶妙なタイミングで休憩を入れてくれるからありがたい。
今回の山行では扇子を持参してきたのだが、これが本当に役に立ち大助かり。休憩の度に生き返るほどだった。風のないエリアでは、扇子が涼しくて快適なのであった。今後は必須アイテムとしたい。

 

 

 

 

カタクリ、タムシバ、シラネアオイ、サンカヨウ。飯豊に来ることになって、花の名前も随分と覚えたようだ。

 

さて、丸森峰を過ぎ、いよいよ核心部の雪渓歩きへと突入してゆく。
もうこの辺から雨が強くなってきて、ゴアテックスのカッパ上下の効果も薄く、全身がびしょ濡れになっていた。防滴のカメラも若干調子が悪い‥。

 

ストックから、アイゼンとピッケルにチェンジして雪渓歩行へスタンバイ👌

 

まずは“地神北峰(ジガミホッポウ)”を目指して歩いてゆく。

 

雨がときおり止み、後をふり返ると素晴らしい景色があった。歓声が沸く。

 

今山行のピーク、『頼母木山(たもぎやま)』が見えてきた。が‥まだまだ遠い。

 

地神北峰に取り付く手前でアイゼンとピッケルを仕舞い、ストックを出して通常モードへ切り替える。これが意外と忙しい。

 

ハクサンイチゲが出てきたが、こちらの稜線のはまだまだ小ぶりだった。この先の、頼母木小屋から大石山までの稜線のハクサンイチゲに期待大である。

 

北飯豊 頼母木山:標高1730m。到着!! 見えてからが遠かった‥。頼母木小屋も、見えてからが遠いのであった‥。
そして山頂でゆっくり腰を下ろして休憩する間もなく、次の目的の『ハクサンイチゲ』へと向かうのであった。

 

歩いてゆく稜線を境にして、滝雲のような素晴らしき光景。こんな日のお天気も、まんざら悪くもない。

 

イイデリンドウ発見!

 

二王子岳も、いつか登らねばならない!!

 

さぁそして‥、いよいよ今山行のメインとしていた『ハクサンイチゲの楽園』へ、歩みを進めるのであった。でもどしゃ降りの雨が残念で恨めしい。

 

何が残念かって‥、満開どんぴしゃのハクサンイチゲなのに、“ハクサンイチゲ越しに見るゼブラ模様の二王子岳の風景”が見られなかったこと‥。
来年に期待して、これに懲りずにまたこの時期に訪れようと思う。

 

大雨と風で上手く撮れなかったけれど、ひとしきりハクサンイチゲの楽園を楽しんだ。

 

大雨と風でゆっくり見られなかったけれど、我々メンバー意外誰もいないハクサンイチゲの楽園を堪能した。

 

さぁそして‥、頼母木小屋へ戻るとこんな素晴らしい光景を目の当たりにするのであった!
これでもかって云うぐらいにビールがキンキン冷え冷えだ。頼母木小屋の水は冷たくて本当にありがたい。

 

皆一気にビールを数本飲み干し、ストーブのついた小屋の中で“山の大反省会”を開始する。他にも、日本酒にワインにウイスキー等々、じゃんじゃん宴の床に並んでいた。小屋泊なのに、皆どうりでザックがデカイ訳だ‥。

 

この日の“頼母木小屋”は、我々7人パーティの他に、ガイドさんを伴った4人パーティが一組の、計11人でのびのびと利用させてもらった。

 

頼母木小屋は「一人2000円(避難小屋協力金)」の利用料金が必要。ハシゴでの昇降となるが、二階の部屋も広くて快適だ。トイレは別棟になるが、すぐ隣に建っている。ペダルを漕ぐバイオトイレが設置されていて、とても綺麗で嬉しい。

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5月29日㊊:朝から雨、ガス、強風。
朝から悪天候の中、頼母木小屋を、7時半前に出発。頼母木山を経由して、下りは地神北峰を巻いてゆくルートを選択し、雪渓を慎重に歩いてゆく。なんせガスっていて視界が悪い。足を滑らせでもしたら、急勾配の斜面を転がってしまいそう。

 

雪渓歩きを終えたら、今度は雨で川のようになっている泥濘を慎重に歩いてゆく。絶対に転びたくないのだ。そんなこんなで、下りも登りと同じように時間がかかるのであった。流石は急登と云われる丸森尾根である。

 

おお!山菜の女王、コシアブラを発見!!‥涎

 

そうこうして、いろいろ森と遊びながら慎重に慎重に下ってゆく。

 

飯豊山荘が見えてきたあたりで、やっとガスが引いてきた。ここでも小屋が見えてからが遠い‥。飯豊山は、本当にどのルートでアクセスしても辛くてキツいってのがうなずける。最後まで急坂なので、下りも気が抜けないのである。

 

北飯豊の頼母木山を歩くハクサンイチゲ山行。仲間のおかげで、天気はアレだったけれど今回も非常に楽しめた山歩きとなった。今度はさらに険しいと云われる“梶川尾根”を歩いて、再び北飯豊の地へ訪れたいとも思っている。果たしてボクに歩ければ‥の話なのだが。

 

頼母木山歩き終了後は、“梅花皮荘”の日帰り温泉(500円)で入浴。最高に気持ちがよく、雨でびしょ濡れとなったシワシワのカラダが復活する。
東北中央自動車道の米沢北ICから高速道路に乗って、のんびり5時間ちょっとかけて自宅へ帰宅。せっかくだから、米沢ラーメンでも食べて帰りたかったが、皆どこも夕方前の休憩時間帯だったようで、黄色く縮れたラーメンにはありつけず‥。

 

代わりに、家に帰ってからゆっくりとこれらを味わい、今回の山行をしみじみ思い返し、反省会をするのであった。
コシアブラ、山うど、ハリギリ、ササミのから揚げ、山うどのきんぴら、山うどのポテサラ、どれもこれも美味しかった。

 

来年のハクサンイチゲ山行も、とても楽しみである♪

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合計距離: 20.75 km
最高点の標高: 1790 m
最低点の標高: 344 m
累積標高(上り): 2126 m
累積標高(下り): -2120 m
総所要時間: 08:42:14
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