飯豊本山・大日岳歩き〈続き〉


1日目の続き
ちょっと早い夏休み山行の、飯豊山の『飯豊本山』と『大日岳』を歩いてきた話。8月5日(月曜)の、2日目のこと。

 

切合小屋のテントの中で、3時半に自然と目が覚めた。日中はあんなにもうだるような暑さだったのに、朝方テントの中はやや涼しい。それもそのはずだ、ボクの寝袋が消えていた。『ん?』っと思い横で寝ているヨメ氏を見ると、自分の寝袋を下に敷いて、ボクの寝袋を掛け布団として使っていた・・・。(´Д`)
朝からまいっちんぐであったが、昨夜は記憶を無くして、辺りをヒッチャカメッチャカにしてぶっ倒れるように寝てしまったみたいなので、朝ごはんの用意には細心の注意をはらって準備した・・・。(~_~)

 


〈切合小屋とテント場〉

さて、この日の予定はこうでした。
今回の山行の拠点はもう“切合小屋のテント場”として、2泊目の山行は身を軽くして行けるところまで行こう!と云うもの。でも目的はあくまでも“飯豊本山”と“大日岳”として、“御西岳”あたりまで行って時間切れなら引き返そうと云うことになりました。この暑さに、果たして何処まで耐えられるのか、答えを見いだせない山歩きが始まります。

 

まずは“飯豊本山”までの山歩き。
テント場を5時に出発。本来ならば3時あたりに出立して涼しいうちに高度を稼ぎたいところですが、これはヨメさんとも相談して決めたこと。初めて歩く山道は、やっぱり景色を見て感動しながら歩きたいので、少しあたりが明るくなってからにしようと決めたのです。
これにより前日の山歩きは暑さからえらくバテたものでしたが、この日はこの場にいるボクらの高度からして全く違うので、朝はとにかく涼しくて気分爽快で歩くことができて何よりでした。

 


〈草履塚〉


〈姥権現〉

“草履塚”からの景色がこれまた良くて、足がなかなか前へ進まない。“姥権現”では、真っ白なよだれ掛けを身に付けた姥さまに安全登山を祈願し、御秘所、御前坂、と過ぎたら、あっという間に昨日目指していた“本山小屋のテント場”へと到着したのでした。

 


〈本山小屋のテント場〉

までもこれはやっぱり昨日では、気温高くてザック重くて疲労度MAXなボクらでは恐らくたどり着けない。暑くならないうちに早々に本山小屋から下ってくる登山者の何人かと話したら、「日帰り山行のつもりだったのに暑さにバテて本山小屋へ泊まってしまった」と云う方が何人かいて驚いた。

 

テント場から歩いて5分ほど行った先にある本山小屋を過ぎたら、いよいよ一つ目の目的である『飯豊本山』に到着。小屋からは20分ほどの道のり。

 

小屋を過ぎたあたりの稜線から、“イイデリンドウ”がちらほらと目につくようになってきた。初めて見たのだが、青くて小さくてなかなか可愛らしい♪(゚∀゚)

 

そして誰もいない飯豊本山タイムをひとしきり楽しんだら、さらにその先のお花畑へと歩いてゆきました。

 

つぎは“御西岳”までの山歩き。
特に、飯豊本山から御西岳までの稜線歩きは兎にも角にもスゴかった。お花に疎いボクでさえ、その風景を見たら声が漏れるほどの美しさ。とても綺麗で色鮮やかな稜線でした。

 

青い空に真っ白な雪渓も効果的。キスゲにハクサンフウロ、アザミにコバイケイソウ、そしてお目当てのイイデリンドウが鮮やかでとにかく美しい。暑くてたまらなかったけれど、足をのばして歩いてきて本当に良かった。

 


〈御西岳の山頂〉

百名山の“飯豊山”を目指す行程上、飯豊本山まで来て引き返す話はよく聞きますが、こんなお天気の日だったらその先の御西岳まで歩かないともったいない。本当に素晴らしい稜線歩きだった。

 

御西小屋の水場。オアシス♪
小屋からはちょっと遠いが、ここの水場で大休止を決め込まなければ、ボクらはきっとこの先へは進めませんでした。
水は冷たくて超絶美味しい。水量も豊富だったので、頭から幾度となく冷水をかけてリフレッシュ。日焼けで火照った腕を冷やしてリフレッシュ。足りない水を補給して、持参してきた水も全部入れ替えた。

 

いよいよ“大日岳”までの山歩き。
水場から御西小屋へ戻りリスタート。コースの途中にある雪渓へ降りることができたら、すかさず雪渓の雪を日本手ぬぐいで包む“雪渓手ぬぐい”をつくります。雪渓から綺麗な雪を掘り出して、大盛りにして包むのです。これを首に当てたり後頭部に当てたりして灼熱の登山道を進みます。

 

暑くて日射のきつい山歩きの道中、これに随分と助けてもらいました。一時間半ほどは氷でキンキンに冷えた手ぬぐいだったので、次なる目的の『大日岳』へとまっしぐら。

 

偽ピークに辟易しながらも、なんとか晴れた大日岳の頂きを踏むことができて感無量。山の仲間によると、初めてでこんなに晴れた大日岳に遭遇できるのはとてもラッキーなんだとか。いまのところ飯豊山は全部晴れ♪( ´∀`) 持っている夫婦で良かったです♪

 

山頂では、御西小屋から良きペースメーカーをしてくれた笑顔の爽やかなおじ(兄?)さんとしばし雑談会。皆さんこの暑さにはほとほとまいっていたようで、お互いの顔からは苦労が垣間見えました。

 

さて大日岳からの下りは、今まで歩いてきた稜線が一望できて実に美しい風景でした。下りは登りよりも気持ちに余裕が生まれるので、見忘れていた景色を確認しながら歩いてゆきました。

 

 

そうこうして、あっという間に御西小屋へ。雪渓では再び雪を手ぬぐいに入れてリフレッシュ。帰りは水場をスルーして、切合小屋のテント場までの帰路を急ぎます。

 


〈飯豊本山〉

帰りはありがたいことに曇りがち。飯豊本山までの稜線の風はあまり期待できなくなっていたので、太陽の日差しが隠れてくれるのはとてもありがたかった。雪渓手ぬぐいを首に巻いて、クールダウンしながら足早に戻るのです。

 

しかしテント場が見え、小屋まであともうちょっとのところでペースダウン。また再び手ぬぐいに雪渓の雪を入れて、家路を急ぎます。夕方だってぇのにとにかくまだ暑い。

 

この日の山行の後半。山行時間は11時間半と長丁場でしたので、最後の方はもう~切合小屋のキンキンに冷えた“缶ビール”だけを考えて歩いていました。(~_~) 駆けつけに一本呑んで、あとはテントからつまみを持ってきて日陰でもう一本。きっとそれもすぐに呑むだろうからまたもう一本。と云う具合に。

 

それが何と!!テントの延泊と“缶ビール”をお願いしに小屋番さんのところへゆくと!!!
「あ、ビールはもう“売り切れ”です」と云う返答が・・・・・。ガ~ン! ( ꒪Д꒪)白目
しかも小屋番さん、そのきつい本気みたいなジョーダンを5分ほどボクに放置するものだから、山行の最後の最後で凍りついたのです。暑いのにもうキンキンです。(-_-;)

 

延泊の手続きをしている最中、小屋番さんから「缶酎ハイが品切れだから2ケース歩荷してくれない?日当15000円だすよ!」との今度はジョーダンみたいな本気の申し出がありましたが、そんなことがボクらには到底できるはずもなく、丁重にお断りを申し上げ、テントに引き上げて翌日をむかえます。

 

切合小屋のテントの中で、4時に自然と目が覚めた。昨日はあんなにもうだるような暑さだったのに、朝方テントの中はやや寒い。それもそのはずだ、ボクの寝袋が消えていた。『ん?』っと思い横で寝ているヨメ氏を見ると、自分の寝袋を下に敷いて、またボクの寝袋を掛け布団として使っていた・・・。(´Д`)
2日連続で朝からまいっちんぐであったが、清々しい朝を台無しにしたくなかったので、不問にして出立するのであった。

 


〈激下り〉


〈無風の稜線〉


〈剣ヶ峰〉

冗談の好きな小屋番さんへ挨拶をして、6時、川入へ下山開始。急登、岩場、高温、多湿、と最後の最後まで油断のおけない下山路でありました。なんせ切合小屋で汲んだ水も、途中の峰秀水場で汲んだ水も、すべて飲みきってへろへろになって登山口へと到着。11時頃のこと。 一ノ戸川での水浴びがなんとも気持ちが良かった。(゚∀゚)

 

初めての夏の飯豊山。厳しい暑さで思うように行程が進みませんでしたが、結果蓋を開けて見たらボクらには“切合小屋のテント場”を拠点とした山行で丁度良かったように思います。小屋もテント場も水場もトイレも近いので、とても利用しやすくお気に入り。テン場からの景色だってそんな悪くない。
夏のビール事情や飯炊きなどの話も聞けて、とても楽しくて印象深い山行となりました。次はぜひとも御西岳から北股岳の稜線などを歩いてみたいなと思っている。飯豊の年、まだまだ歩いてみたいところだらけです♪


〈夏休み山行記録〉
1日目:川入in 04:30 ⇒ 御沢野営場 05:00 ⇒ 横峰小屋跡 08:00 ⇒ 峰秀水場 08:30 ⇒ 地蔵山分岐 09:00 ⇒ 剣ヶ峰岩稜 09:20 ⇒ 三国小屋 10:30 ⇒ 種蒔 12:50 ⇒ 切合小屋 13:40 (テント泊)
2日目:切合小屋 05:00 ⇒ 草履塚 05:35 ⇒ 姥権現 05:55 ⇒ 御秘所 06:00 ⇒ 御前坂 06:20 ⇒ 本山小屋 07:00 ⇒ 飯豊本山 07:30 ⇒ 玄山道分岐 08:20 ⇒ 御西岳 09:05 ⇒ 御西水場 09:20 ⇒ 御西小屋 09:40 ⇒ 大日岳 11:05 → ピストン → 切合小屋 16:30 (テント泊)
3日目:切合小屋 06:00 → 種蒔 06:30 → 三国小屋 07:30 → 剣ヶ峰岩稜 08:00 → 地蔵山分岐 09:00 → 峰秀水場 09:10 → 横峰小屋跡 09:45 → 一ノ戸川 11:20 → 御沢野営場 11:30 → 川入out → いいでのゆ

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