丸鍋会と丸川荘〈ケーコ編〉

雨でも楽しめる山といえば、コースタイムが短く道が平らで傘がさせて苔が美しい、泊まりなら小屋がある、そんなとこでしょうか。

すぐに思い浮かぶのは、尾瀬、日光澤温泉、そして大菩薩嶺の柳沢峠~丸川峠。
今回はその丸川峠にある「丸川荘」を舞台にした完全ノンフィクションヒューマンドキュメンタリー24時です。マジです。

ぽっかり空いた天気の悪い体育の日の三連休、いつ行くの?今でしょ!丸川荘行きは突然決まった。
目的は丸鍋会。
何度も歩いている苔の美しく優しい道、そう、チビッ子でも歩けるユルい道なんだけどなぁおかしいなぁ・・・。

 

距離にして半分あたりの何もないほぼ平らな場所で持病の発作が(脚色あり)、あ!?、うぅ!!。
濡れた木の根っこ(横ねっこ)で左足が横滑り、かばおうとして咄嗟に出した右足も横滑り、右足首を外側に強く捻りました。

湿布を貼って簡単なテーピングをして鎮痛剤を飲んだら、ゆっくりだけど自力で歩けた。
足首に力が入りにくく、たまにコキッというような音がする。がに股で重心を内側気味にすれば痛みもなく足を着けた。
ただし、全く力が入らない。痛い角度や向きもあった。

 

旦那が別ルートから山小屋丸川荘に到着してた仲間のキキさんと連絡を取ってたようで、小屋のお手伝いをしてる末澤さんとこちらまで様子を見に来てくれた。
末澤さんには食べ物で重くなったザックを担いでもらい、小屋まで歩き通す。

小屋泊の3人組のパーティーの大きなおじさんが冷却スプレーを貸してくれ、末澤さんに湿布とテーピングを替えてもらい、小屋主の只木さんが三角巾で固定してくれた。爪先が寒いだろうからとキキさんが靴下を先っぽに被せてくれる(笑)。腫れはほんの少々だけ。

 

 

ストックを使えば歩けたし、外トイレ(和便)で用を足すことも出来た。缶チューハイは350mlを1本で我慢。
私だけシラフでY談したあと、寝る前にトイレ行こうと立ち上がると、腫れと痛みが徐々に増してるのがわかった。そういえばこの日、矢車カズの誕生日会もしました。おめでとう4※歳!仲間がホールケーキまで持って上がって本格的の会だった。

寝苦しい・・・、何度も目が覚めた。
1人1枚ずつマットを敷いてくれているのに、酔っぱらった旦那が私のマットに入ってくるのだ。その都度蹴飛ばして外に出すも、気がつけば私のマットの中に。あほ。空いてる小屋で布団1枚に2人、初めての経験であった。


翌朝、腫れと痛みはかなり増しているがそれでも捻挫だろうと信じて疑わなかった。炊事するときやトイレ、とてもゆっくりだけど自分の足で歩けたから。
でも朝ごはんを食べ終わった丸鍋会の終わりのとき、その足で自力での下山は無理だろうと只木さんが判断してくれて、自分たちの力で下山させると決断してくれた。私は身をゆだねるしかない。すみません、おねがいします!(>_<)

それからが早かった。最短の泉水谷までは人力で、そこから林道(一般車両は入れません)を使って車で柳沢峠まで私を運んでくれることになった。
まず、工事中の林道が使えるかどうかの確認の電話をし、小屋番の末澤さんが林道ゲートの鍵を只木さんの家に取りに行くために山を一度下り、そして小屋まで戻ってきてくれる。
その間、只木さんは適当な木を切って毛布と針金で担架をこしらえ、併せて一輪車の整備をし、末澤さんの若い奥さんにも色々と指示をしたり・・・。多分、私の知らないところでこの何十倍も頭や手や足が使われていたんだと思う。

 

もう10歳若ければ担げたけど・・・と只木さんはおっしゃったけど、もう10キロ軽ければ・・・と私も猛反省。とはいえ、一輪車使いは熟練されたものでそのスピード、バランス感覚は相当のもの。敵わないや。
なんとか行けそうなところは一輪車で、ひどい段差やタイヤが落ちてしまう溝があるとこは旦那や他の仲間も含めたメンズ4人で担ぎ上げ、細い木の橋は担架に乗せて渡り、1時間の道のりを1時間半で下りた。

早かった。山道だから平坦な箇所なんてありません。殆どがボコボコの段差だらけの悪路でした。
人1人を下山させることがこんなに大変だとは・・・。>_<

 

右足関節脱臼骨折の様子
〈右足関節脱臼骨折:手術後の様子〉

結局、骨折でした。

反省すべき点は、怪我をした時点で帰るべきだった。そのときならばまだ自力で下山が可能だったはず。飲酒もダメ。脳天気で小屋まで行ってしまった自分が恥ずかしい。
小屋主の只木さん、小屋番の末澤さん、ちはるさん、山仲間の山うさぎさん、矢車ねーさん、キキさん、矢車カズ、旦那、迷惑かけてすみません。そして、ありがとう。
私が言える立場ではありませんが、とてもいい経験をさせてもらいました。最後に自分の中で、人として尊敬できる人はこういう人なんだ!と強く思いました。貞吉さん(只木さん)LOVE♡

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