
「何処かへ連れて行ってくれないと死ぬ!!」
――母の、いつもの発作的リクエストに応え、奥日光へドライブがてら避暑に出かけた話である。
雨の、山の日連休、8月10日(日)〜11日(月)のこと。
ヨメさんには、いつものごとくアルバイト代が支給される、ドライかつ現実的な旅なのであった。笑

おしっこ近い病の高齢の母とのドライブは、だいたい90分ごとにトイレ休憩を取るのが理想的。
ちょうどお昼前だったこともあり、「道の駅にしかた」に立ち寄ってトイレを借りて、ついでにランチを摂ることにした。
食堂(農村レストランふるさと一番)で頼んだ〝にら練りラーメン〟が、これまたすこぶる美味しくて驚いた。
翌日の帰りにも立ち寄って、冷凍のお土産セットも購入。家でもまた食べたいと思わせるほど、お気に入りとなった一杯だ。

三本松茶屋にて。
この日は一日中ほとんど雨。小降りのタイミングを見計らってはトイレ休憩を繰り返す。
ヨメさん、ただいまこうしてアルバイト中。

この日の宿は奥日光の『日光アストリアホテル』を取った。
足の悪い母には、畳に敷かれた布団での寝起きが難しいため、部屋にはベッドが必須条件となる。予約時には、まずここでいつも苦労する。

山の日連休とはいえ、畳の和室ならまだ空きがあり安価な宿もあったが、「ベッド付き&トイレ付き」の部屋――理想は3ベッドルームともなれば、即日満室が当たり前。
前々日に運よく予約が取れたのは、おそらく悪天候ゆえのキャンセル枠に滑り込めたからだろう。

日光アストリアホテルは、随分と歴史のあるリゾートホテル。
古さは隠せないものの、昔ながらの丁寧な造りのおかげか、天井は高く、動線もわかりやすく、部屋も広い。親孝行旅には程よい宿だった。

…が、バリアフリー化以前の造りゆえ、高齢の親を連れてくるには事前確認が必要な点が多く、反省も残る。
例えば、ユニットバスの床が室内より25センチも高く、上がるのにひと苦労。
さらにバスタブの縁が高く、またげないため、温泉宿へ来たのに母をお風呂に入れてあげられなかったのは残念だった。
とはいえ、息の詰まるガミガミ爺さんのいる家から抜け出し、どこかへ気晴らしに行けただけでも母は満足そうで、少しは安心だ。
次回は、風呂の段差や仕様もちゃんと調べておこうと心に刻む。

温泉♨は〝光徳温泉〟に分類されて、源泉は日光湯元から引湯しているらしい。
緑がかった乳白色のお湯は、内湯も露天もたまらなく気持ちがよいお風呂だった。翌朝9時まで入れるのも嬉しく、結局三度も入ってしまう。

夕食は一品一品が丁寧で、どれも美味しい。

ごっついステーキ肉を、いきなりバクバクと食べ始める母の姿を見てると――こりゃあ、まだまだ墓には入らんな、と確信もした。苦笑

翌朝の空模様
日光アストリアホテルの全客室からは、日光のシンボル・男体山がどどんと望める……はずだったのだが、翌日も空は厚い雲に覆われていた。

山の日連休は全国的に天候が荒れ気味で、結果的に山歩きには行かず、我々にはちょうど良いのんびり親孝行旅となった。
また母の「死ぬ死ぬ病」が再発したときは、うまい具合に天気が崩れてくれたら――それはそれで、悪くない旅になるかもしれない。