国設 知床野営場

夏休みをもらった2025年7月6日から12日の1週間、北海道・道東は知床のウトロ地区にある『国設知床野営場』で過ごしてきた。
今回は、その中でも特に〝ケビン〟と呼ばれる宿泊施設についてのお話です。

 

2025年度の国設知床野営場ケビンの概要はこんな感じ↓

ケビンの予約は、毎年5月10日午前9時からスタート。受付は“電話のみ”という方法。窓口は知床斜里町観光協会(0152-22-2125)で、対応時間は8:30〜17:30。
因みに、2025年の5月10日は土曜日だったため、実際の予約開始日は翌週の5月13日㊋にずれ込んだ。
予約受付期間は、5月13日㊋〜5月30日㊎まで。国設知床野営場の営業期間は、6月1日㊐~9月30日㊋まで。

 

6月1日以降の予約については、現地の管理事務所(0152-24-2722)にて、9:00〜17:00の間に直接申し込む必要がある。
4人用ケビンが5棟、2人用ケビンが2棟と、施設の数は限られている。電話予約は、まさに“秒読みの争奪戦”だった。

 

なお、テントサイトはフリーサイト方式。こちらは予約不可の先着順で、場所取りは早い者勝ちとなっている。

 


【ケビンの特徴】
キャンプ場には『4人用ケビン(4,000円)』と『2人用ケビン(3,200円)』の2種類があり、チェックインは11時から18時、チェックアウトは10時まで――ということになっていた。
どちらのケビンにも、照明器具と2口コンセントが1ヶ所ずつ備えられており、スマホの充電などには問題なし。
ただし、電気調理器具など電力を多く使うものは、ブレーカーがすぐに落ちてしまうため使用できない、らしい。室内では禁煙で火気厳禁ともなっている。
設備の詳細については、事前確認しておくのが無難だろうか。

 


【4人用ケビン】
5棟あるケビンはすべて北西向きに配置されており、オホーツク海に向かって開放されている。眺めはなかなかのものだが、残念ながら海そのものは見えない(ちょっと残念)

 

玄関はテラスを兼用しており、1mほどの高さを階段で上がると、屋根付きのポーチが迎えてくれる。ここなら雨をしのぎつつ、のんびりひと息つける。

 

テラス前の地面では、専用の道具さえあれば焚き火やBBQも楽しめそうだ。

 

入口は、上半分がガラス格子になった引き違い戸。明るさはあるが、施錠が少々クセモノで、最初は手こずるかも。網戸がないのも惜しいところで、夏場は虫たちがそこら中からウェルカムモード…。
因みに、小窓はすべて網戸付き。

 

テラスで履き物を脱ぎ、室内に入ると、まず目に入るのは二畳ほどの畳スペース。座卓でも持参していれば、きっと快適な“ちゃぶ台ダイニング”で宴会が始まるかも。
寝室スペースには、L字型に配置された2段のベッドが二つ。寝床は畳敷きで、夏はさらりと涼しく、なかなかの寝心地だった。

 


【2人用ケビン】
ケビンは全部で2棟。丸太造りの小屋で、4人用ケビンとは趣ががらりと違う。どこか山小屋のような風合いで、小ぢんまりとしていて愛らしい。

 

室内からは直接の景観は望めないが、扉を開け放てば、夕暮れ時に差し込む光とともに、運が良ければ美しい夕陽を拝めることもあり、これがなかなか乙なもの。

 

そしてこの2人用ケビンだけ、片開き扉の内側にはプリーツ式の網戸が完備されており、虫たちの侵入をしっかり防いでくれる。これは快適だ。
ただし、扉を開けたままゴロンと横になっていると、床が低めなぶん、ちょうどいい高さで他のキャンパーと目が合う可能性大。4人用ケビンに比べると、プライバシー面ではやや心もとない。

 

室内は三畳ほどの畳スペース。両サイドに荷物を置いても、マットと寝袋を広げるには充分な広さがある。
特筆すべきは、大きめの棚と、しっかりとしたサイズの窓が二つあること。身の回りの物を整理しやすく、しかも風通しがよくて、夏でも涼しい。これは4人用ケビンに勝る利点かもしれない。

 

唯一気になるのは、玄関まわりの下足スペースがやや手狭なこと。履き物の扱いにはちょっと工夫が必要だが、室内の床が低いため、クルマを小屋に横付けすれば荷物の出し入れは楽ちん。
使い方次第では、なかなか快適なケビン滞在が楽しめるはずだ。

 


【国設知床野営場について】
住所は、北海道斜里郡斜里町字ウトロ東。知床ウトロ地区の高台に位置する。

 

知床八景のひとつ「夕陽台」の展望台があるキャンプ場としても広く知られ、夕暮れ時には、あちこちから観光客が押し寄せてくる人気スポットだ。

 

予約が必要なケビンのほか、フリーサイトのテント場、炊事場、バイオトイレ、ゴミ置き場などの設備が整っており、必要にして十分。

 

 

キャンプで出たゴミをすべて処分できるというのは、本当にありがたい。

 

‥が、この日は洋式のバイオトイレが3台とも故障中で使えず、そのすぐ脇に仮設の和式トイレが設置されていた。
ところがこれが意外や意外、臭いもなく清潔で、用を足すにはさほど気にはならなかった。

 

このキャンプ場は、知床ウトロの市街地を拠点に動くには、まさにうってつけの滞在場所である。
地理的にみても、移動には車がないと少々つらいが、それさえあれば、名所めぐりに日帰り温泉、コンビニや飲食店、道の駅など、観光にも山歩きにも便利なロケーションだ。

 

そして何より特筆すべきは――
おしゃべり好きなキャンプ場の管理人さん(夫)のキャラクターが、とにかく面白い。基本的にはご夫婦で運営されており、奥さんもまた、負けず劣らずの名脇役である。

 

夕陽台からの眺めは、やはり格別だった。

 

赤く染まった空のむこう、オホーツクの水平線がゆるやかに闇へと溶けてゆく。
決して派手さはない。けれども、この知床野営場には、人の手がきちんと入った温かさがある。
仮設の和式トイレひとつにしてもそう。どこか丁寧で、誠意が感じられた。
そして何より忘れがたいのは、あの名物管理人さんの飄々とした語り口。キャンプ場の説明よりも、その他の話が長かったのも、なんだか微笑ましい。

 

次にここを訪れるときは、できれば何も予定を入れずに、ゆっくりと、ただただ、沈む夕陽を待ち、のんびりしたスタンスで過ごすのも悪くない。
——そんなふうに思わせてくれる、なんとも素朴でやさしい野営場だった。

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