これは糸電話ならぬ「筒電話」。ボクが義母のために自作したものである。
下のは古い月のカレンダーを破って丸めて筒にして両端に紙コップを差した試作品。紙コップは病室にあった検尿カップを代用したとてもお粗末なもの。ところがこれが大ヒット。全脳放射線治療で中耳炎になり耳が遠くなった義母にとって、無くてはならないものとなった。来る人来る人この即席の筒電話でおしゃべりする。
ところがしかし使用頻度が高くなるにつれ、耐久性の無いこの試作品はボロになり、くしゃくしゃになり見るに忍びない形になってきた。
ってことで上のカラフルな筒電話は一気に耐久性をあげた最新バージョンだ。
でも・・・、台風一過の7月11日の金曜日。1年8ヶ月の闘病生活の末、この筒電話が要らなくなった。
セブンイレブンのコーヒーが大好きだった義母は、セブンイレブンの日に永眠。享年67歳。
ところで、葬儀は義母たっての希望により家族葬とした。
本人はひっそりと人知れず天国へ逝けるものだと思いこんでいたようでようであるが、ところがそうは烏賊のきんたま。亡くなってから24時間は火葬ができないので自宅で安置。
そうすると闘病先から義母が帰ってきたってんで友人知人の方々が相継いで弔いに。せっかく帰ってきた家でゆっくりもできないのかよと毒づいている義母が目に浮かぶほど、にぎやかに場が和み、そして大勢の方々が悲しみを共にしてくれた。良い葬式だった。
さて、ひっそりと天国へ逝きたかった義母にボクらは内緒で、「おくりびと」を頼んだ。
お昼の12時から14時までのきっかり2時間を、まるで映画を観ていたかのようだった。目の前で進む納棺師の巧みな技と優れた話術にどっぷりとハマリ、その作業にもう釘付け。
最後ぐらい綺麗な格好であの世へ逝かせてあげたいってのが本来頼んだ目的だったけど、義母には悪いが最後の方、どういった施術なのかと興味しんしんで目的がそっちのけ。
でもま、棺に入った義母はまるで見違えるようだった。今にも目が開きそうな程リアル。向こうへ旅立つのには最良な準備をしてあげられたと自負している。許してもらいたい。汗
さぁ、いつまでもくよくよしてらんない。
タイミング良く金土日で通夜告別式出棺までも済ませてくれた義母の粋な計らいに感謝し、ボクもヨメさんも月曜日からは通常の生活にもどります。
仕事して呑んで仕事して遊んで仕事して山へゆくいつもの行動に戻らねば義母も悲しむ。長く応援してくれた方々、お悔やみの言葉をくれた方々、重ね重ね厚く御礼申し上げます。