火打山歩き

先日のこと。

新しい“テント泊用のザック”を手に入れた。そしたらテント泊に行かねばならない使命がふつふつと湧き、新しい相棒のザックを引き連れてテント泊山行に行ってきました。8月4日(火曜)~5日(水曜)の話です。

 

“夏山はじめ”となるこのテント泊山行は、去年の8月“飯豊本山・大日岳”以来の、実に一年ぶりのテント泊となりました。あまりにも久しぶりのテント泊だったもので、行く先を何処にするべきか悩んでいたら、山仲間の山行の記事が目に止まります。

地図を出して調べてみると、登山口までは高速道路から近く、駐車場もトイレもあってとても入山しやすいことが分かった。どうせなら初めて歩く山に行きたかったので、高谷池ヒュッテのテント場でのんびり呑むことを目的として、『火打山』を歩いてくることになりました。

登山口に直近の駐車場へジムニーを停めて身支度を整えていると、多くの車が後から次々とやってきます。
さて、登山口ゲート建屋の集金箱に入山料をいれて入山。登山道の序盤はボクの大好きな緩〜い登り坂。よく整備されていてとても歩きやすい。木道の階段もピッチよく歩ける歩幅でこれまた歩きやすい。

酒とつまみを持ちすぎたのでは?と一抹の不安は感じるものの、ずしりと重たいザックが今山行は妙に心地良い。新しいザックの調子がすこぶる良いのであった。
とりあえずは高谷池ヒュッテのテント場までの、たったの3時間半の山行です。久しぶりのテント泊とはいえ、我慢できないはずがない。

…我慢できなかった。😫 蒸し暑くって、風がにゃい…。😫
序盤の木道と大きなブナ林の道は気持ちよく歩けたのだけれど、黒沢を過ぎたあたりから信じられないような“大汗”をかき、足が前に進みません。
十二曲り、ならぬボクにとっては十七曲りはあったのではないかと思われる、つづら折れの急坂をやりきって富士見平へゆくのに、相当に難儀してしまった。予定CTを大幅超え…。
( ꒪Д꒪) 白目

黒沢岳を左にまいてゆく登山道で、まだまだ先は長そうであったが、ようやく見たかった待望の景色を目にすることができて元気を取り戻す。そしてこの日の目的地とした“高谷池ヒュッテ”も見えて更に元気を取り戻す。

…元気が回復しなかった。😫 テン場暑くて、風がにゃい…。😫
ボクには珍しくお昼ごはんのおにぎりが喉を通りません。今回の体調不良はあきらかに“シャリバテ”と分かってはいるのだけれど、兎にも角にも暑くて🍙おにぎりが喉を通りません。今度からは喉をするする通るゼリー状のものだけにしようと学びます。

さてその“高谷池ヒュッテ”のテント場。一人1000円で30テントまで張れるキャパのところを、この日8月4日の火曜は28張りとほぼ満床。平日にもかかわらず、それは大層なにぎわいでした。
でもみんな翌日の妙高山アタックが控えていた方がほとんどなのか、18時にはとても静かなテン場となり、遅くまでだらだらとテント外で“呑んだくれていた”のはきっとボク一人だったように思います。汗

高谷池ヒュッテは今年2020年の5月いっぱいまで増築に伴う改修工事が行われていたようで、とんがり屋根の新館はとにかく綺麗な建屋でした。元からあった旧館も改修されたようで、新館に見劣りしないほどの装い。
特にボクは、洗浄便座付きの綺麗なトレイに感動してしまった。洋便器でウォシュレット付きで土足厳禁だと、皆さんトレイを綺麗に使うようで何よりです。

テン場で一時間ほど休憩したら、根の生えた重い腰を上げて『火打山』へと向かいます。もうこの日はテン場でビール呑んでまったりしちゃおうかしらとも考えましたが、とにかくテン場が暑くてじっとしていられません。
少しでも涼を求めて、火打山へ向かうことになったんです。

ちょうど高谷池を挟んでテント場の対岸から、火打山への本格的な登山が再び始まりますが、そこから高谷池の湿原と高谷池ヒュッテを見る景色が抜群に素晴らしくて、今度は違った意味で足が先に進みません♪

俯瞰で見る『池塘』が美しすぎて、すこぶるナイスビュー。草紅葉した秋の景色も当然見てみたいのですが、こうして緑鮮やかな池塘の景色の方がボクは好きかもしれません。

天狗ノ庭では、湿原に映り込む“逆さ火打山”とぽわぽわワタスゲ天国に歓喜し、先程のぐだぐだだった疲れなんてあっという間に吹っ飛んだかと思いましたが、然うは烏賊の金玉で、実はここからの1時間半がぐだぐだで本当にしんどかった(ひどかった)。

―――💧

時折吹く風に足を止めて小休止、自分の水を飲み干して小休止、ヨメ氏の水を半分もらって小休止、、何とか“雷鳥平”までは辿り着けたものの、あまりの暑さで意識がもうろうとし、ヨメ氏秘蔵の凍ったウィダーインゼリーを奪って一気飲みしだす始末でもう大変…。ヨメ氏談。😫

火打山、山頂。…ガスでした。😅
大展望とのことでしたが、360度まったく何も見えませんでした。しかも山頂ビールを味わおうと用意してきたキンキンに冷えたビールをテントに忘れてもう散々…。途方に暮れるとはまさにこのことかしら。

ところが下りは早いこと早いことこの上ない。先程のぐだぐだは何処へやらで、ヨメ氏にさんざん詰られて野次られながら、ペース良くテント場へと戻るのでありました。
駆けつけ一杯のキンキンに冷えたおビールが、どんだけ旨かったかは言うまでもありません。

―――✪

さて翌日。妙高山へのアタックは暑くてそうそうに諦めていたボクたちは、テン場をゆっくりと7時に出立し、茶臼山と黒沢池ヒュッテを経由してから富士見平へ向かうことになりました。
何やらそちらのコースもお花畑がすごいんだとか。前日の件もあるんで、この日はヨメの指示通りに動きます。

茶臼山を過ぎたあたりの稜線を歩いていると、これまた素晴らしい景色に遭遇します。目の前に妙高山を見ることは叶わなかったのだけれど、ぐるっと回ってきて本当に良かったと思うほどに素晴らしかったんです。

黒沢池の湿原では群生したハクサンコザクラが見られ、さらに先へ進むとここでも思いがけず、ぽわぽわワタスゲ天国の洗礼を受けながら歩いてゆきました。

まっすぐ最短距離で帰ろうと言っていたボクに対して、遠回りして寄り道して帰ろうと言い張るヨメ氏。これは黙って言うことを聞いておいて良かったなと思うほどにナイスなコースでした。ワタスゲすげー。

今回の山行。新しいザックを手に入れてのテント泊ができて楽しいものとなりましたが、反省点もいくつかあって、何年経っても夏の山はなかなか悩ましい。特に“シャリバテ”、“飲料水不足”、“暑さ対策”が顕著でした。
次の夏山は、なんとしても上の3つを克服して望みたい!!


山行:
4日(火曜):笹ヶ峰登山口P→黒沢→十二曲り→富士見平→高谷池ヒュッテ→天狗ノ庭→雷鳥平→『火打山』→高谷池ヒュッテ(テント泊)
5日(水曜):高谷池ヒュッテ→茶臼山→黒沢池ヒュッテ→富士見平→笹ヶ峰登山口P→車移動→燕温泉 黄金の湯

覚書:
次回は絶対に“笹ヶ峰グリーンハウス”の『ステーキ』を食べてから帰りたい。

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