
今回の山歩きも、夏山の北アルプスへ向けた特訓山行。そして、もう一つの目的は避暑だった。
我々が求めたのは、長い距離を、長い時間かけて歩ける山。今回のターゲットは〝男体山ファミリー〟である。

父の山・男体山、母の山・女峰山、長男・太郎山はすでに歩いている。そこで今回は、まだ歩いていなかった子どもたちの山、『大真名子山』と『小真名子山』を目指すことにした。
7月25日、土曜日のこと。

2026年現在、以前利用できた「志津乗越駐車場」は駐車禁止となっているため、その手前にある「梵字飯場跡」の駐車スペースへ車を停める。

ところが、ここからが長い‥‥。
歩きやすい舗装路ではあるものの、志津乗越まで約4km。緩やかな上り坂を1時間ほど歩かなければならない。
スロースタートの登山道は嫌いではないが、さすがに少々退屈だ。
ヨメさんも、すでに飽き飽きしている。笑

志津乗越へ到着。
右へ行けば男体山、正面は女峰山、そして左が大真名子山。
もちろん我々は左へ進む。

梵字飯場跡の標高は約1,500m、志津乗越は約1,785m。
下界とは別世界の涼しさだった。

お昼に食べようと思っていた冷たいカップヌードルが、逆に寒くて食べられないのではないかと心配になるほどである。

朝露をたっぷり含んだ背丈ほどの笹薮を抜けてゆく。

岩の上に立つ八海山神像を過ぎると、いよいよ本格的な登りが始まった。

これがなかなか手強い。

序盤から山頂近くまで、ひたすら急登が続く。

息は上がるが、「これぞ特訓」と思えば不思議と足も前へ出る。

展望の開けた場所まで来れば、大真名子山の山頂はもう目前だ。

『大真名子山』到着。

梵字飯場跡Pから、およそ3時間。

思う存分急登を味わえて、大満足の一本だった。

さて、山頂ではもう一つのお楽しみ。
発売されたばかりの「冷しカップヌードル」を試してみる。
暑い夏山では本当にアリなのか。

"山で食べれば何でも三割増しに美味しい"という魔法のスパイスを取り除いても、今後レギュラー入りするか確かめてみたかった。

結果は...キムチ味だったからかもしれないが、我が家は夫婦そろって「次はもう無いね!」だった。
やっぱり暑い山では、喉ごしつるつるの流水麺には敵わない。

食後は小真名子山へ向かう。

この、大真名子山から小真名子山までの道が、本当に気持ちいい。

木々が風に揺れる音。
小鳥たちのさえずり。
足元はふかふか。

歩いているだけで自然と笑顔になれるような、そんな道だった。

やがて木々の間から、小真名子山が姿を現す。

シャクナゲのトンネルをくぐり抜ける。

ふわっふわの苔の絨毯を見ると、思わず頬ずりしたくなるほどだった。

タカノ巣まで下ったら、最後はもう一度急登。

『小真名子山』到着。
大真名子山から約1時間30分。
山頂は広々としていて居心地は良いが、眺望はあまり良くはない。

そして、この日の核心部はここからだった。

富士見峠へ向かうザレた急斜面。

慎重に下っていたヨメさんも、一度だけ豪快にスリップ。
幸い、大事には至らず笑って済んだ。

またげぬ倒木はどうにもならず‥

その後も、馬立分岐から志津乗越までの道が思いのほか長く感じてまいっちんぐ。

ようやく志津乗越へ戻ると、あとは舗装路。
下り基調ということもあり、ヤマレコのペース表示がぐんぐん上がっていく。

そして最後は、梵字飯場跡駐車場へ。
到着は、この日いちばん最後だった。

道中で追い抜かれたのは、トレランの方が一人だけ。
他の登山者のほとんどは、男体山方面へ向かったのかもしれない。

それでも、この静かな山域は実に心地良かった。
人の少ない登山道を、ゆっくりと、自分たちのペースで山を味わいながら歩く。
そんな贅沢な一日だった。

しかも標高のおかげで想像以上に涼しく、北アルプスへ向けた良い特訓にもなった。
何より、この暑い夏には最高の避暑山行だった。
―― ― ― ―
最高点の標高: 2379 m
最低点の標高: 1415 m
累積標高(上り): 1499 m
累積標高(下り): -1407 m
総所要時間: 09:44:03