
二つの台風が関東を直撃したことによる豪雨。そして深夜に発生した、山梨県を震源とする震度6弱の大きな地震。
冠水による道路の通行止めや、地震による中央高速道路の通行止めなど、いくつかの障害を乗り越えて、いつもの山仲間たちが集まった。

このメンバーが15年ほど前から集うきっかけとなった、キーパーソンの一人である「アツコねーさん」がとうとう還暦を迎えた。60歳である。
そのお祝いのため、山梨県は清里の『清泉寮』へ、みな遠方から各々集まって還暦お祝い会を開催。その内容を記録メモとしてここに綴ることにした。
日時は6月27日(土)から28日(日)のこと。

山仲間の集まりなので、本来予定していた目的は当然のごとく山歩きであった。飯盛山を目指すはずだった。
ところがどっこい、ダブル台風の影響によって両日ともに雨天。しかも初日は「超」の付く豪雨予報となっていた。
雨が降るなかカッパを着てまで山を歩くようなストイックな連中ではないため、そんな時はとっとと代替案に鞍替えするのである。

皆で楽しめそうな陶芸やカラオケなど様々な案が出たが、今回は諏訪湖の東南に位置する上諏訪の「ココレーン上諏訪店」でボウリング大会を開くことになった。

我々夫婦にとっては実に20年ぶりである。他のメンバーもきっと似たようなものなのだろう、みな口をそろえて「随分と久しぶりだ」と言っていた。

赤いちゃんちゃんこ、赤い頭巾、赤いおべべに赤い毛糸のパンツなど、還暦祝いの品は多種多様にあるけれど、我々の仲間うちでは「SAINT JAMES(セントジェームス)」の赤白ボーダーシャツが定番になりつつある。主賓のねーさんにもなかなかお似合いだ。

さて、17人でのボウリングの結果はというと、皆どんぐりの背比べのようで散々なスコアであった。

しかしそんな中、2ゲーム目の後半にストライクとスペアを連続して叩き出した私が、主賓を差し置いてちゃっかり優勝してしまった。
景品がかかっていたので、ついつい熱くなってしまったのだ。大人げない。

山歩きほどではないが、意外と疲れたボウリング。2ゲームを終えた頃には、くたくたになるまで笑い転げていた。
腕や肩、さらにはコマネチ(股関節)が痛いだのと、みんな普段使っていない部位が悲鳴を上げていたようだ。笑

お昼ごはんは、大人数での予約もできて安心な、ほうとうの名店「小作」でいただいた。


その後、14時のチェックインに合わせるように、8台の車に分乗して目的地の『清泉寮』へ向かう。

今回の宿は、8人用の「和室キャビン」を2棟借りた。
1箇所に集まって17人で団らんするには丁度よいスペースではあったが、就寝時のことを考えると、二つのコテージが隣り合っているわけではないため少々不便に感じることも。下調べが甘かった。幹事としては大いに反省点である。

この宿を選んだのには理由がある。
還暦を迎える仲間に「お祝いの会を開きたいけれど、どこか希望の場所や好みの宿はあるか?」と事前に聞いてみたところ、「美味しいごはんがたっぷり食べられて、みんなで楽しく騒げる大きなコテージがある清泉寮がいい!」と即座に回答があったのだ。

さすがは我ら仲間が誇る、食のご意見番であり、料理番長。東の横綱だ。
美味しい場所を実によく知っている。

一同文句なしで、この場所に決定したのであった。
6ヶ月前から予約できる「超早割」を駆使して、非常にお得に泊まることができたのも、同施設に詳しい仲間のおかげである。

さて、そろそろ団らんの話に移ろう。
チェックイン手続きを済ませたら、まずはお風呂へ。ウェルカムドリンクのジャージー牛乳を味わい、すかさず「酒豪伝説」を流し込んで万全の準備を整えたら、いよいよ還暦祝いの宴会がスタートした。

まずはシャンパンで乾杯。

久しぶりに口にする泡が美味しくて、ついがぶがぶと呑んでしまう。

いったん和室キャビンをあとにして、晩ごはんを食べるために食堂棟へと向かった。
この移動が結果的に良かったようで、外の心地よい風にあたって良い酔い覚ましになった。

ビュッフェ形式の夕食は、評判通り文句なしの美味しさであった。
すべてが絶品だったのだが、タコ好きな私にはやはり「タコの柔らか煮」がたまらない。食べ残しがないよう節度を持ちつつも、そればかり集中して食べてしまった。

そして、部屋呑み用にアルコール類をがっつり持ち込んでいるというのに、食堂でも遠慮なくたっぷり呑むのがこのメンツの小気味よいところ。
ビールに赤白のワイン、日本酒と、なんでもござれの賑やかさであった。

食事を終えて部屋へ戻るころには雨も上がり、空にはおぼろ月が顔を出していた。

薄曇りのなかに浮かび上がる富士山のシルエットも、非常に美しかった。

ビンゴ、スライドショー、日本酒飲み比べなど、色々な出し物をやっては盛り上がった、そんな怒濤の宴会を過ごした翌日。

驚いたことに、皆すっきりと起きられたのである。
合間に水やお茶をしっかり挟みながら呑んでいたからなのか、あるいは「酒豪伝説」のポテンシャルのおかげなのかは定かではない。

朝食のあとは、どこか軽く山でも歩いてから帰ろうとしていた矢先、バケツをひっくり返したような土砂降りの雨が降ってきた。
天気予報を見ても、とても山を歩けるような状況ではなかった。

あきらめて清泉寮名物のジャージーミルクソフトクリームを堪能し、これにて解散の儀とした。

これほど賑やかな仲間の還暦祝いは、年齢の巡り合わせ的にもこれが最後になるかもしれない。
だが、もう少し人数を絞ってでも、また誰かの節目にこうしてお祝いができたら、きっと感慨深いことだろう。

兎にも角にも、現地にたどり着くまでには道中いろいろなトラブルがあったが、何はともあれ、こうした楽しい集まりが無事に開催できて本当に良かったと思う。

アツコ60アニバーサリー。愉快な仲間たちのおかげで、大成功の旅であった。