
「7泊8日車中泊の東北旅」の間に歩いた、八甲田山の話。
雨から雪へ変わり、朝方には晴れ予報。しかし終日強風だった、5月5日火曜日のこと。

山歩きの前日は、酸ヶ湯温泉の千人風呂と玉の湯で長旅の疲れを癒やし、「酸ヶ湯公共駐車場」にて車中泊。
ヨメさんの顔はめパネルに突撃参加してくれた、何処かの可愛いちびっこにも癒された。

湯上がりに呑んだ酸ヶ湯の日本酒が、五臓六腑に沁みるほど美味かった。

さて早朝。
トイレに起きると、外はどんよりガスっていた。
ヤマテンでは朝7時からピーカン予報だったのだが‥‥どうやらまたヤラれたらしい。

だが、お隣さんのアトレーカップルハイカーが出立してゆく姿を見たら、我々も居ても立っても居られなくなった。
慌てて身支度を整え、あとを追うように出発。7時頃のこと。

すると、登山口へ足を踏み入れた瞬間から、みるみる青空が広がってきた。
これは幸先が良い。自然と足取りも軽くなる。

登山口の出だしから雪道だったが、気温が低いおかげか雪は締まり、実に歩きやすい。
先行者のトレースを追い、時にはヤマレコで冬道ルートを確認しながら、ツボ足で行けるところまで軽快に進んでゆく。

ところが天気が‥‥。
標高を上げるにつれ、どんどんガスの濃いエリアへ突入していくようで、不安を憶えるのだった。

気温は低く寒い。だが我々にとっては、ソフトシェルを羽織るくらいで丁度良い。
前を歩く先行者は、ずぅ〜っと半袖Tシャツ一枚で歩いていた。見ているこちらが寒い。

12本爪アイゼンは、急登と岩場が始まる手前で装着。
こういう山行用に、冬靴とハードシェルパンツを買い替えておいて本当に良かった。
どちらも履き心地が抜群である。

ところがお天気が‥‥。

とはいえ、これはこれで、普段なかなか見られない光景でもある。
どこか水墨画のようでもあり、美しくもあった。

沢の上の雪渓は、途中で崩れ落ちていたり、クラックが入っていたりしていたので、その脇の凍てついた岩場を、アイゼンを効かせながら慎重に登ってゆく。

途中の渡渉では、おっかなびっくり。

だが、その先の凍てついた登山道の美しさには、思わず息を呑んだ。

アオモリトドマツの霧氷が、あまりにも綺麗だったのである。

青空が無くたって、こんな水墨画のような景色の中を歩けるのなら、それだけで十分楽しい。
そんな気持ちにもなってくる。

ところが‥‥そんなことを言っていられたのも束の間。
ガスに包まれた、だだっ広い雪原エリアへ突入すると、先行者のトレースは完全に消えた。

頼れるのはヤマレコに設定したルートだけ。
画面を睨みながら、慎重に歩を進めてゆく。
しかも風が凄まじい。
先ほど自分で付けた足跡ですら、振り返ると、もう消えかかっている有様だった。

すると、我々の前を歩いていたはずの“半袖Tシャツくん”が、いつの間にか後ろを、しれぇ〜っと歩いていて驚いた(笑)

エビの尻尾もガッチガチ。

山頂直下の急登では、体重の重い我々夫婦ですら、身体がふわりと持っていかれそうになるほどの暴風だった。

9時30分頃。
無事に、八甲田山の山頂へ到着。

だが山頂は、ヤマテン予報どおりの快晴‥‥とはならず、強風が吹き荒れる真っ白な世界だった。涙

このまま待っていても、青空が出てくる気配はまるで無い。
ヨメさんと写真を撮り合い、後ろを歩いていた半袖Tシャツくんの写真も撮ってやり、お隣さんのアトレーカップルハイカーとは登頂の喜びを分かち合い、我々はさっさと下山することにした。

前週のヤマレコ記事では、水を湛えた沼だった鏡沼。
この日は沼面がバリバリに凍っていた。

アオモリトドマツの樹氷群を抜けても、景色はまだ真っ白け。

仙人岱避難小屋が見えるあたりまで下山してきて、ようやく青空がちらりと顔を出した。

ここで煎餅休憩。
強風で腰を落ち着ける場所も無く、ここまで何も食べずに歩いてきたので、煎餅の美味いことと言ったら‥‥。気づけば完食していた。

下山路は、登りとはまるで別世界。
やはり青空は素晴らしい。

登りでは歩きやすかった雪道も、気温の上昇で雪が腐り、今度は歩きにくいことこの上ない。

そして、下山した頃にはこの青空である。

なるほど。
私はあまりこういう経験が無いだけに、この悔しさは人一倍だ。( ꒪Д꒪)白目
さて、次の山へ向かうため移動する。
続く。
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最高点の標高: 1587 m
最低点の標高: 895 m
累積標高(上り): 711 m
累積標高(下り): -701 m
総所要時間: 04:29:06