小屋閉め『ピノキオ小屋』

中央アルプス・檜尾岳の山頂直下に佇む『檜尾小屋(愛称:ピノキオ小屋)』
その小屋に親しみを持つ仲間たちと一緒に、小屋閉めに合わせて訪れてきたお話。
10月11日㊏〜12日㊐のこと。

 

さて、「小屋閉め」という名の“宴”へは、今年は最初から気合いの入っていた8人の仲間たち。
菅の台バスセンターでのバス待ちも、しらび平でのロープウェイ待ちも勿体ないと感じ、早々に「ジャンボタクシー」を予約しておいたのだ。出発は5時。もちろん、始発のバスよりも早いから、ロープウェイも5時50分発の一番乗り。
これがまた、めちゃくちゃ楽ちんで便利。料金は8000円もしなかったので、8人で割れば1000円弱。菅の台からのバス賃(830円)と大して変わらないのは嬉しいところだ。

 

ここまでは実にスムーズ。が‥、ロープウェイ山頂駅の千畳敷に着くと、そこはひどい暴風雨だった。
全員レインスーツを着込み、ザックカバーをかけて準備万端。誰一人として「今日はやめようよ!」なんて言わないのが、目的を持って集まった今回の仲間のすごいところだ。

 

その目的とは――
愛する檜尾小屋で、敬愛する小屋番さんと一緒に酒を酌み交わすこと。
これに尽きる。

 

だから、たとえ目の前が濃霧で真っ白でも、暴風にあおられても、びしょ濡れになろうとも、足取りは「檜尾岳」へ一直線。アップダウンを繰り返す稜線をひたすら進んでゆく。

 

檜尾岳、到着。
晴れていれば、ボクの左足とストックとの間に、ピノキオ小屋が見えていたはずなのに…なんとも残念でならない。

 

結局、小屋が見えるほど近づくまでは、濃霧で何も見えなかった。

 

檜尾小屋、到着。千畳敷から3時間30分。
右膝の痛みに不安を抱えながらも、仲間に重たい荷を持ってもらい、なんとか無事に到着。ホッと一安心だった。

 

枯れることのなかった水場にも、仲間が汲みに行ってくれて、ありがたいやら嬉しいやら。

 

びしょ濡れになった全身のウェアをストーブ近くで乾かせたのは助かったが、どうしても靴の中だけは乾かないのが悩みどころ。ゴアテックスで防水のはずなのに、なぜこんなに濡れるのかといつも思う…。
それに、ザックカバーなんかよりも、ザックの中に厚手で大きなビニール袋を仕込んでおくほうが何倍も役に立つ。今回も中身は一切濡れずに済んだ。

 

さて、濡れた服を着替え、寝床を整え、人心地ついたら――もう、あとは呑むしかない。みんなで集まって、早速乾杯。でもまだ11時前のこと(笑)
外は暴風雨でテラス宴会は不可能、となれば小屋の中で「呑むしかないじゃないか」という理屈になるのだ(笑)

 

この悪天候で小屋は我々8人の貸切状態だったが、テント泊組が次々と避難してきて、最終的には大賑わいの小屋閉めとなった。
檜の香りが漂う綺麗な寝床が、1階・2階に分かれて使えるのは、こういう時ほんとうにありがたい。
ちなみにこの酷天の中、テン場にはなんと一張りだけ幕営していたツワモノもいた。

 

そして宴の卓には、数々の酒と肴。
中でも、富山の山仲間がこしらえて持ってきてくれる昆布締めの数々が絶品で、箸がまったく止まらない。
ヨメさんもこれに影響され、別の宴で何度も再現しているほどだ。
ビールにも日本酒にも焼酎にも白ワインにも合う、不思議な万能肴。アスパラとミョウガと豆腐の昆布締め、実に美味であった♪

 

ほかにもいろいろ並んだはずなのだが、撮ったのか食べたのかも覚えていない。気がつけば翌朝であった笑。

 

iPhoneのカメラロールには、記憶の無いたくさんの食べ物が残っていた笑

 

朝。
檜尾小屋と小屋番さんに、「今年も一年お疲れさまでした」と挨拶をして下山開始。
帰りは激下りの檜尾尾根を避け、往路をピストンで戻ることにした。

 

相変わらずの強風と濃霧に四苦八苦しながらの道中だったが、時おり一瞬だけ霧が晴れ、紅葉の山肌が姿を現す。
その一瞬の美しさに救われるような、悪くない帰り道だった。

 

また来年、こうした集まりがあるかどうかは分からない。
けれど、気心の知れた仲間と歩くこういう時間は、やっぱり格別と思う。
きっとまた誰かが声をかけて、自然と集まるのだろう。

 

下山後は、1時間待ちで「ガロ」のソースかつ丼を初体験。
衣が薄く、肉の旨みがダイレクトに伝わる絶品だった。ただし次は…1時間は並びたくない苦笑

 

駒ヶ根からの帰り道は、小黒川PAのスマートICから中央道を走り、渋滞に差しかかる手前の勝沼ICで降りた。
山梨フルーツライン沿いのぶどう園では、特価のぶどう各種をしこたま買い込み、満足げに帰路へつく。
それにしても、ガソリンは駒ヶ根周辺よりも、小黒川あたりまで走ってから補給したほうがずいぶん安い。次回からは、これ覚えておこう。

 

痛めていた膝にはあまりよろしくない山旅ではあったけれど、最後まで笑いが絶えない、心から充実した山旅だった。方々から集まってくれた仲間たちのおかげだね。

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